司馬南氏はこうした見方に反論する。胡錦濤の秘書だった令計画の陰謀である「西山政変」(※胡錦濤元国家主席の秘書だった令計画が習近平政権に対して徒党を組んで陰謀を巡らせた一派は西山グループと呼ばれている)に司馬南氏が関わっていると書かれたことについてもでたらめだと強く否定した。
官僚の汚職と女性問題
問題の根源は人格?
汚職の取り締まりが報道される際に頻繁に「姦通」という言葉が使われるようになっている。汚職官僚が、女性と不適切な肉体関係を持つケースが増えているのだ。条文化されていないこの「姦通罪」で汚職官僚を弾劾するのは合法なのだろうか。司馬南氏は、これは法律ではなく党規律で処分できるとしている。汚職官僚は他人の金を自分のポケットに入れることに精を出し、下半身にだらしない生活を送るが、党員紀律条例の「党員の姦通」規定に則って処分が可能だというわけだ。
陳氏は、司馬南氏が番組で周永康氏の治安維持面の功績を誉め、薄熙来氏については重慶モデル(革命歌を歌うなど共産党の歴史や伝統を賛美する活動の展開や低所得者優遇による振興策)を賞賛し、王立軍氏(薄熙来の下で重慶市の公安局長を勤めたが薄と対立し、最後は米国領事館に駆け込み薄熙来逮捕など一連の大疑獄事件のきっかけを作った)は才能にあふれていると吹聴していたと批判する。
これに対し司馬南氏は周永康の在任時の業績は評価するが、人格には軽蔑を覚えると言い訳している。治安維持任務の全てが間違っていたわけではないというわけだ。陳氏は司馬南氏がかつて重慶モデルで革命歌を歌い、マフィア退治(「唱紅打黒」と呼称)を強行した薄熙来を賛美していたと非難した。陳氏によるとこうした行為は利益のやり取りに過ぎず、政治家の警察や芸能界との癒着を示しているという。このようなやり方は、法に依る統治ではなく党治であり、「文化大革命」に類似しているというわけだ。陳氏によれば天安門事件後には官僚の汚職が一層ひどくなったのだという。