対談

2015年2月19日

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増田:よくわかります。しかも役所だけでは人数が限られますからね。民間にそれなりの雇用があれば、地方経済の問題はかなり解消されるでしょうが、高学歴であることが活きるような職種がなかなかありません。

 3大都市圏を除く人口40万人以上の都市は24あります。宮崎市が2015年1月時点で405741人で、札幌市の191万人までの幅に24の都市があるわけです。これらにある程度の集積を図って、大卒女性向けの仕事が出てくるようにしないといけない。

飯田:「クリエイティブクラス」という表現が相応しいかどうかは微妙なところですが、人が集まっていないと商売にならないような職種ですね。IT化の初期段階では「フラット化」などといわれ、どこにいてもクリエイティブに働くことができると喧伝されたものですが、20年経ってもそうなってはいませんから。

増田:IT化がどんなに進んでも、一人でぽつんといるだけでは仕事にならない業種があるということですね。顔を突き合わせることで刺激されたり触発される部分が、クリエイティブな仕事の人には必要です。でも地方では女性がコアメンバーからは排除されてしまう傾向が、いまでも強く残っています。県議会、市議会でも女性議員は少数派でしかないですし、20~30代の女性の声をすくい上げる仕組みもなければ、対話の機会がない。

飯田:友人に東北のある老舗の和菓子屋さんを継いだ女性がいるのですが、「こんな男性社会を体験したことがない」と驚いていました。宴会があれば当然のように注いで回らなくてはならないし、打ち上げの最後は女性のいる店が当り前。その女性はそれなりに大きな会社の跡取りだから大事にされていて、でもこの程度。これがバックに資本も家柄もない女性であれば、完全にお手伝いさん扱いになってしまうでしょう。

 それが透けて見える限り、クリエイティブクラスの女性は地方に住みにくいでしょう。男ばかりの男性社会はまた、男性にとっても暮らしにくい場所です。

増田:私たちの推計で、女性人口減少率が低いのがメガネで有名な福井県鯖江市です。デザインのセンスが問われるタイプの製造業では、女性が活躍する余地が大きいのでしょう。また消滅可能性都市が非常に多い北海道で推計人口減少率が低かったニセコ町は外国人旅行者が多く、リゾートとしての投資を国外からも集めているので、レセプションの質を高める職種や通訳など、女性が求められる場面が多いのが特徴です。

 ただ、どちらも経営陣として女性が活躍しているわけではない。女性の目にその地域がどう映っているのか、企業で働き、結婚して出産し、子育てする人の声をすくい上げることで、問題点が見えてくるでしょう。

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