Wedge REPORT

2015年5月8日

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 広野、楢葉は放射線量も低い。隣のいわき市が、避難者の大量流入で、日本全国の地価上昇ベスト10を全て独占するほどスペースがなくなっていることや、両町にまたがる広大なサッカー施設、Jヴィレッジが東京五輪前に返還されることを考えても、広野・楢葉に数万人規模のニュータウンを建設し、浪江~広野6町の帰還希望者に集住を促すことは、教育、医療、商店といった生活インフラを考えても、町の持続可能性を一気に高める。

未撤去のがれきや漁網と除染除去土が混在(浪江町請戸地区)

 帰還希望が2割程度というのは、実は先述の閖上などとそう変わらない。自主再建や転出者が増えているのも同じ。現実から目を逸らして分散投資を行うのではなく、自治体の枠を超えた集住という、これまでどこもできなかった決断をすることができれば、福島の復興は歴史的な一歩となるだろう。

 このような集住プランは、浪江、双葉、大熊、富岡の復興が後回しになることを意味する。昨年11月号でとりあげたが、賠償金の格差が住民間に深刻な軋轢をもたらしているし、双葉郡8町村に震災のずっと以前から合併の機運がありながら全く進まなかった歴史を考えれば、集住は簡単ではない。

建設中の仮説処理施設(浪江町)

 弊誌では4町出身の住民たちと座談会を行い、このようなプランに対してどう思うか率直な意見を聞いた。集まったのは30~40代の現役世代である。

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