Wedge REPORT

2015年5月8日

»著者プロフィール

 「バラバラに投資すれば無駄が多く、小さな町ばかりになって未来がない」

 「もうすでに自分たちは避難先で生活も仕事も頑張っている。故郷ではない広野・楢葉へと戻れと言うのなら、何らかのメリットが必要」

 「東電の事故で国に勝手に追い出されたのに、双葉や大熊を除染したから戻れと言われればふざけるな、となる。汚れた便所を掃除したから舐めろというようなもの。放射線量の健康影響については勉強して理解しているが、これは科学ではなく気持ちの問題。でも一方で、1%でも帰還の可能性があるなら帰りたいという気持ちもある」

 「国はこの4年間、主体的に何かを言ったことは一度もない。それが許せない。もう故郷に戻って暮らすことはできないんだろうなと思っている人は多い。でも、まず国が、もう帰れません、申し訳ない、新たな町に住んでほしいと、はっきりと言うべきだ」

 「今戻れるならすぐにでも帰りたい。でも帰れないと言うのならせめて、墓参りくらいは自由にさせてほしい。自分たちの世代が子育てが終わったころには戻れるようにしてもらえないか」

がれきや除染廃棄物の処理が始まったかせう処理施設(富岡町)

それでも始まる分散投資と誘致合戦

 しかし、そんな福島・浜通りでも分散投資がすでに始まろうとしている。

 復興に向けた目玉として掲げられている、新産業創出を目指す福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想。すでに廃炉モックアップ施設の建設が楢葉町で始まり、放射性物質分析施設が大熊町に決まった。さらに4月7日、高木陽介経済産業副大臣が同構想推進会議で「各町は苦労している。国が責任を持って拠点施設を持ってくる」と、浪江、双葉、大熊、富岡の4町に拠点施設を分散整備する考えを明らかにした。これでは、原発誘致をめぐって、各町が反目しあってきた時代に逆戻りである。

建設中の廃炉モックアップ施設(福島県楢葉町)

関連記事

新着記事

»もっと見る