2024年12月13日(金)

サイバー空間の権力論

2015年6月4日

 また民間警備会社のアルソックは、昨年からドローンによるメガソーラー発電施設への警備サービスをはじめる一方、今年の5月には、ドローンを悪用するケースに対応するとも発表している。「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント」と名付けられた同サービスでは、音響センサーや画像センサーによっていたずらや犯罪目的のいわゆる「悪玉ドローン」をいち早く検知し、関係各所に通達する。同時にスマホ等のICT機器を持った警備員が対応するというサービスだ(詳しくはアルソックの発表を参照のこと。http://www.alsok.co.jp/company/news/news_release_details.htm?alpc_news.news_detail%5Bid%5D=2760)。

規制か、ビジネスか

 こうした動きもあり、大阪市が市内の公園においてドローンを禁止するとともに、夏に行われる全国の花火大会においても、今からドローンの利用を禁じると決定する地方自治体も出てきている。実際ドローンで花火を間近で撮影した映像が動画サイト等にアップされ人気を博しており、多いものでは1000万回以上の再生数を誇るものもある。

 これらは新たな法律としてではなく、既存の迷惑行為や危険行為の範囲に適応させるケースがほとんどだ。もちろん、ドローンは産業振興の可能性もあるため、事前に許可を申請すれば認められるケースもあるだろう。とはいえ、花火撮影をエンターテイメントととるか迷惑行為とするかは議論が別れる点だ。おそらくオフィシャルに許可されたドローンのみが空撮し公開する、といった方向で調整されていくものと筆者は予想する。

 自民党もまた議員立法で国会提出をめざす「ドローン」規制法案を作成しており、重要施設への飛行禁止区域等を定める予定である(http://www.huffingtonpost.jp/2015/05/12/drone-regulation_n_7262414.html)。だがこれに対しては日本民間放送連盟(民放連)が政府に対し、報道の有用性を理由に法規制に対する慎重さを求める声明を出している(http://www.j-ba.or.jp/category/topics/jba101501)。

 単に危険だからということで制限するのは難しい。ドローンの商用利用に対する期待は当然のことながら大きいからだ。5月に行われた企業向けの「第一回国際ドローン展」では、様々な業務用ドローンが勢揃いし、大いにその可能性を感じさせた。会場には自民党の小泉進次郎議員が訪れ、リスクを最小化するとともにドローンの可能性を最大限引き出すべきとの意向を示している。規制するだけではイノベーションが生じないということだ(http://www.huffingtonpost.jp/engadget-japan/shinjiro-koizumi-drone_b_7425908.html)。


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