一方、金属取引の中心がロンドンに集中するのは英国の市場シェアから見ると不思議な感じもする。ロンドンは場所がアジアとアメリカの間に位置するので、常に金利差や時差を利用した裁定取引(アービトラージ)がやりやすいのである。今でもLME(ロンドン金属取引所)が金属取引の中心であるのはこんなところにも理由があるのだ。
コリンの息子も僕の息子もラグビー狂い
さて、話は変わるが先日、香港のWOGENを訪問した。香港支店長はコリンの息子であるアレックス・ウィリアムズである。彼はコリンとは性格は違うが、やはりラグビーが大好きである。
アレックスは偶然ながら私の息子中村創一郎と同時期に北京の大学に留学していた。二人ともラガーメンで中村創一郎は北京語言大学チームでアレックスの方はイギリス人駐在員チームだった。二人とも身体が大きいのでフロントローのフッカーだった(プロップの時もある)。フッカーはスクラムの前列2番だから重圧に耐えるポジションだが、スクラム以外は比較的自由に何でもできるポジションでもある。
息子の創一郎が上海でソーラーパネル(太陽光発電パネル)の仕事に就いた時に、これまた偶然だが、アレックスも上海のWOGENに入社してお互い上海のラグビーチーム(日本対英国)で闘ったとの事だった。英国のレアメタルトレーダーにはなぜかラガーメンが多いようだ。
WOGENは「香港セブンス」のロイヤル席の永久権利を持っており毎年春になると観戦するのが年中行事だった。私も数回招待されて見に行ったことがある。コリンは試合の後の打ち上げ(飲み会)が大好きで、大騒ぎして日英の文化交流もやったものだ。コリンはラグビーチームの様に各トレーダーのポジションと取扱い品目をよく考えて経営戦略に生かしていると言っていた。それ程、ラグビーが好きなのである。
コリンの影響でレアメタル専門商社を設立
こうして過去を振り返ると、僕はコリン(WOGEN)の影響をかなり受けていた気がしてくる。AMJが独立したのはWOGEN設立よりもかなり後の事だったが、前職(蝶理)におけるマテリアル部の組織運営は、ほぼWOGENと同じようなフォーメーションになっていた。