2024年7月16日(火)

未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」

2015年8月25日

 

お見合いの“数”が増えている!

 ”お見合い結婚”は、それだけ数が増えてきているのだろうか?

 気になって調べてみたところ、結婚数に占める「お見合い結婚」の割合がことさらに増えたわけではなさそうだ。

 国立社会保障・人口問題研究所が2011年に公表した『第14回出生動向基本調査』(「厚生労働省作成資料」より。p18のグラフ参照)によると、「お見合い結婚の変遷」はグラフのようになっていて、近年では”減少傾向の横ばい”状態が続いている。

 これは2010年までのデータなので、最新の情報が出れば若干の違いは出るかもしれない。とはいえ、お見合い結婚の数が飛躍的に伸びたということはないだろう。

 そこで推測されるのは、「お見合い結婚した人の数」では測れない「一人当たりのお見合い数」が増えているのではないかということだ。

 つまり「結婚に至る数」とは関係のない(もしくは、関係しているが、だからと言って、イコール成婚にはなりえない、成婚に至るまでの期間におこなう)「お見合いの実数」が増えているのではないか。

 

”顔合わせ”だけでは決められない

 昔なら、ほぼ「顔合わせのため」にお見合いをおこなったので、お見合い数は成婚数とほぼイコールだったかもしれない。けれど、現代のように、お見合いが出会いの「ひとつのツール」であるならば、結婚を決めるまでに、一人が何回もお見合いをするのも、ある意味当然のことである。または、お見合いをしても結局、結婚しない人たちもいるだろう。 

 そんな”こもごも”が、私が目にした「お見合いカップル」の数に現れていたということではないだろうか。

 なぜならば、お見合いという「出会い方」を選んだ人にも、普通の恋愛の場面でと同じような、「関係を築くまでの心の変遷」や、「自分と向き合う時間の長さ」が必要になっていて、それだけに、「お見合いの数をこなしたり」、結婚を決めるまでの「期間を要したり」もするのだろう。

 もっと言うなら、普段恋愛を経験しない人たちにも、恋愛の機会を与えているのが現代のお見合いで、相談所に入った人たちは日常では経験してこなかった人間関係や“心の揺れ”をスピードアップして体験する。

 だからこそ、統計から推測される以上の「お見合い」が日々、実施されていて、女性たちは「恋愛と同じような」悩みを抱えてしまうのだ。

 

ラインでいつもつながっている

 “朝活”に話を戻す。

 婚活をしている女性同士の恋愛相談が行き詰まってくると、最終的には、主催の山本さんが「こうするといい」と助言をしてくれた。山本さんは、ご自身でも婚活を経て、結婚しただけに、言葉には説得力があり、参加者たちは熱心に彼女の話に耳を傾けた。

 あまりにもスラスラと、彼女がなんにでも答えるので、

 「凄いですね~」と感想を漏らすと、

 「普段から同じような相談を会員さんから受けてますからね」と事もなさそうに答えた。

 「だけど、こんなにも繊細な相談を毎日されていたら、大変じゃないですか?」と聞くと、

 「ラインのスレッド数は多いですね」と、またまたあっけらかんと言う。

 会員さんとの連絡を彼女は、ラインでしているのだとか。

 ちなみに、この後、ほかの相談所の相談員さんたちにも聞いてみたところ、今どきの相談員さんは、会員たちとの連絡をラインで取っている人たちが多かった。


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