コスタ・クルーズは、日本発着のクルーズ船に積極的に日本人客を呼び込もうと、クルーズプラネットがチャーターした場合、大人2人で利用すると子ども(12歳未満)2人までは無料で参加できる特典を設けている。コスタは来年には、博多、舞鶴、金沢、境港、釜山を結ぶ日本海側の都市を回る新しいコースを予定しており、これまでにない周遊コースとして、どれだけ集客できるか注目される。
新潟、小樽、青森港……。
大型のクルーズ船に寄港してもらおうと誘致合戦
大型のクルーズ船が日本の地方都市に寄港すれば、乗船客が下船して観光、買い物ツアーに出かけるため、寄港地は大きなビジネスになる。このため、新潟、小樽、青森港などでは大型のクルーズ船に寄港してもらおうと、誘致合戦を展開している。横浜、神戸港などもクルーズ船が接岸する岸壁の水深を深くし、旅客ターミナルを拡充するなど設備の充実に力を入れている。
その中でも寄港回数が大幅に増えているのが、クルーズ船のアジアの玄関口になろうとしている博多港だ。同港は数年前からクルーズ船の寄港が増えたため受け入れ態勢を整備してきたが、今年夏にはさらに拡充する計画を打ち出した。博多港への寄港回数が昨年は115回だったが、今年は206回と2倍近くに増える予定のため、同港は整備計画を急きょ繰り上げて中央ふ頭でクルーズ船受入環境の強化に向けた施策を行う。中央航路を現在より70㍍拡幅し幅370㍍とし、大型クルーズ船の2隻同時着岸と世界最大級のクルーズ船の受け入れができるよう岸壁を延伸し水深12㍍岸壁を1バース整備する。
鳥取県境港市の境港には7月2日に上海を母港とするRCIのアジア最大のクルーズ船「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(16万7800㌧)が寄港した。当初は韓国・釜山を経由する予定だったが、同国での中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大を受け、ルート変更による寄港だった。乗客約4700人の大半が中国人で、境港に一度に寄港する乗客としては過去最高になった。岸壁には地元のほか島根、岡山、広島各県から手配した大型観光バス約120台が待機。乗客らは下船後、大半が近くの鳥取県米子市や松江市の大型ショッピングセンターで「爆買い」をしたため、コンビニなど一部の店では品切れになるなど「クルーズ効果」が現れている。
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