サッカー日本代表は、召集ごとにメンバーが変わるが、23名のうちおよそ半分がJリーグでプレーする国内組、残りの半分がイタリアやイングランド、ドイツなど世界のトップリーグでプレーする海外組である。
日本サッカーの「裏海外組」
直近の代表戦は11/12と11/17に行われる「2018FIFAワールドカップロシア アジア2次予選 兼 AFCアジアカップ UAE2019予選」である。
11月5日に発表されたメンバーは、12名が国内組、11名が海外組だった。海外組と一括りにすると、日本のトップ選手を指す代名詞のようになっているが、裏海外組とも呼ばれるメンバーが大勢いるのをご存知だろうか。ヨーロッパはもとより、南米、アフリカ、アジアなどあらゆる大陸のサッカーリーグで300名ほどの日本人選手がプレーしている。
ただ、その中でも、コミュニケーションが重要となるGKは非常に限られている。今回、大学で指導者の経験もありながら、ソロモン諸島でのプレーを経て、9月末までリトアニア2部のFKタクラス・タウラでプレーしていたGK麻生弘隆選手に話を聞いた。
バルト三国リトアニアのサッカー事情
リトアニアは、東ヨーロッパのバルト三国の中で最も南に位置し、人口は325万人。2004年にEUに加盟し、今年からユーロが通貨として使われている。スポーツではバスケットボールが最も盛んなスポーツで、オリンピックでは1992年のバルセロナから3大会連続で銅メダルを獲得している。
リトアニアサッカー協会の Vaidotas Januškaに話を聞くと、まずリトアニアサッカーを取り巻く環境の難しさを教えてくれた。
「1990年、リトアニアは当時のソビエト連邦から独立を宣言しますが、サッカーにとっては非常に難しい時期が続きました。スポーツの組織やシステムを作るにも、まさに一から始めなければなりませんでした。最初の15年以上は、サッカーに関連した不祥事が多いということで、スタジアムが破壊されるなど、新たな物事を積み重ねていくことよりも破壊されることの方が多くありました。そういう訳で、本当の意味でリトアニアサッカーがスタートしたのはこの10年のことで、まだまだ課題は山積みの状態です」