2024年7月19日(金)

WEDGE REPORT

2016年1月6日

左からリチャード・キム氏、ディング・リー氏、ニック・サムスン氏(AP)

 今回発表されたコンセプトモデル、FF001は、バリアブル・プラットホーム・アーキテクチャー(VPA)を特徴とする。一言で言うとユニバーサル・プラットホームで、シャシーの真ん中にバッテリーモジュールを入れることでひとつのプラットホームで様々なデザインの車に対応できる。モジュールを増やせば車長の長い車ができるし、前後のホイール部分へのモーターの組み込み方次第で前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動にも対応できる。そのため市販モデルのデザインが決まれば様々なタイプの車を一度に量産できる、という。

 ただしコンセプトモデルは少々未来的なデザインで、ここから市販モデルの予想はしにくい。会見後のサムソン氏へのインタビューの中で「価格帯は?」と質問したが、「様々なタイプの市販モデルを計画しており、求めやすい価格の車から高級車まで、価格にもバリエーションが出るだろう」という返答にとどまった。当初からテスラをかなり意識しているファラディだけに、テスラのモデルSの価格8万ドル前後、Xの10万ドル前後にマッチするか、あるいは少々安めの価格で対抗する可能性が高い。

不明な部分がまだまだ多い

 今後のファラディの課題は「いかにテスラとの差異を出し、魅力的な商品を作れるか」にあるだろう。車をインターネットベースのインフラに、というアイデアも、自動運転の方向性を指すのか、コネクティビティを指すのかなど、明らかにされていない部分は多い。

 ファラディに強みがあるとすれば、VPAにより複数のモデルを同時開発できる、という点だ。テスラでさえモデルSからXの発売まで5年を要した。しかしファラディの場合はファミリーカーとSUVを同時発売することも可能かもしれない。

 一方で、このところカリフォルニア州では中国メーカーによる現地EV生産がじわじわと増えつつある。中国企業に買収された元テスラのライバル、フィスカーが同州での生産再開に乗り出し、北京オートグループはシリコンバレーにショップをオープンさせた。こうした企業が今後ファラディのライバルとして浮上する可能性もある。

 ファラディ・フューチャーの将来は、まず市販モデルが発表され、それが市場に受け入れられるか、そして適正価格とライバルとの差異のある内容で顧客を引き寄せられるか、さらに企業として採算ベースに乗れるか、などにかかっている。しかし新しい企業が斬新なコンセプトで市場に切り込む勢いにはおおいに注目すべきだろう。

  
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