2024年12月22日(日)

WEDGE REPORT

2016年1月4日

 Uber 、Lyftなどのスマホアプリによるオンデマンドライドサービスはすっかり米国に定着したが、ロサンゼルスではオンデマンドのフライトサービスも登場した。

 2013年に創設されたサーフエア社は、「カリフォルニア州内を無制限でフライトできる会員制サービス」を提供する。会員は月々1750ドルの定額を支払う(16年1月6日より入会金1000ドルが加算)かわりに、スマホで簡単にフライトを予約、15分前に空港到着で手軽に州内の目的地に飛ぶことができる。

BMW製の本革シートで
プライベートジェットのような贅沢さ

 同社は15年フォーブス誌の「最も将来性のある企業100社」の上位30位にランクインした。15年末現在で会員数は2500人、自社飛行機は13機、1日あたりのフライト回数は90回に及ぶ。

 サービスは小型ジェット機ピラタスPC12で提供される。12人乗り、BMW製の本革シートでプライベートジェットのような贅沢さが味わえる、という。小型機ゆえにロサンゼルス、サンフランシスコのような大空港ではなくローカルのセスナやヘリ専用飛行場から発着するため、長時間のチェックイン手続きなどが不要となる。各飛行場には無料駐車場が用意され、プライベートコンシェルジュが飛行機まで案内する。

 現在サーフエアが運行しているのはカリフォルニア州内11の空港及びラスベガス。ただしラスベガスは自社便ではなく提携するLCC航空会社による運行だ。16年にはさらに目的地を増やし、最終的に州内30の空港間の運行を目指している。

 予約はオンラインまたはスマホアプリで30秒で終了、チケットレスで搭乗できる。米国の国内線は預け荷物に課金するが、サーフエアは無料、機内のスナックサービスも無料の上「ヘルシーフード」のみを提供する、という。

 このサービスに対し月額1750ドルは高いのか安いのか。現在ロサンゼルスーサンフランシスコ間の往復飛行機料金は平均で300ドル程度。月に5、6回の出張をこなすビジネスマンにとっては、サーフエアはリーズナブルな代替案と言える。チェックイン手続きなしで時間が節約できる、という点が「タイム・イズ・マネー」のエグゼクティブには大きなセールスポイントとなる。

 果たしてサーフエアは「空のUBER」として定着するのだろうか。実は米航空業界は今大きな競争にさらされている。サウスウエスト、スピリット、フロンティアなどのLCCが燃料コストの下落からこれまで以上に飛行数を増やした。スピリットはシカゴ発着便を12年から27%増加、サウスウエストはダラス、ラブフィールド周辺の便数を46%も増加させた。


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