2023年2月5日(日)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2016年2月11日

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 さて本題に戻ると、中国の景気については、私の周辺に限ると、景気が良くないとの話をよく聞くが、聞くのは話ばかりで、彼らの実際の行動を見ているとそうは感じられないのが正直な感想。

言っていることとやっていることが逆

©Naonori Kohira

 1.私の上海の家の近くの高級広東料理屋(客単価1万円以上)は今年も相変わらず商売繁盛の様子。私のマンション周辺に溢れんばかりに駐車されて大変迷惑している。この店は公務員の宴会禁止令が出て多くのレストランの売り上げが減った一昨年でも客が減った様子のないハイエンドのお店。この迷惑がなくなったら景気減速を実感するかもしれない。

 2.知人が自宅買い替えのために1月に約100平方メートル、1億円程度のマンションを売却した。築18年、地下鉄駅から歩いて5分、市内中心部まで地下鉄で20分、虹橋空港まで5分の立地だ。仲介会社が仲介の取り合いになり、出された条件が面白い。

 仲介会社の営業マンは自腹でまず4万円の仲介保証金を売り手に払い、1月以内に成約しなかったら4万円は売り手のもの、成約したら返却する。それで契約したら本当にひと月以内に売却成立。投資目的でなく実際に居住用の買い手であった。買い手は市内中心部のマンションを売って全額現金で買った。

 仲介会社によると、上海市では人民元で200万元(約4000万円)から500万元(約1億円)の価格帯であれば、投資ではなく実際に居住する実需ベース の売買が活発と。その金額を超えてくると、動きが鈍るとのこと。それ以上の資金力を持っている人はすでに複数の不動産を所有しており、そうすると不動産融 資規制でローンに制限がかかるという事情もあるようだ。

 3.上海の友人に頼まれて春節の連休中に福岡のマンションを見に行くことになった。上海から飛行機で1時間半で、中国国内の保養地に2000万円程度のマンションを買うように勧められたが、2000万円であれば同じく1時間半のフライトで福岡に行けるので「福岡の方がいいかな」と思っているとのこと。航空券も安いときは往復4万円程度で取れるので、中国国内と変わらない。福岡は地震もないから安心と。

干支が良いので倍増が見込まれる出生率

 4.先週、上海市の役所で出生届受付の窓口を管理している人から面白い話を聞いた。「1人っ子政策」廃止後上海市では出生届が激増している。昨年は干支が良くなかったのでそれでも控え気味、今年はもっと増えるはずと。「2割か3割増ですか?」と聞いたら、今年は「多分倍増」との驚きの発言。特に外地から上海に嫁いで来たようなケースが多いと。上海市ではすでに小児科の病院、保育園増設対応に動き始めていると。

 私が一番驚き、期待しているのは「4」のケース。窓口の人の現場の感覚だが、倍増はいかなくとも、これは相当な消費の底上げになる。日本の関連産業の方はぜひ注視してほしい。ベビー関連の爆買いも増えるかも知れない。

 実は私は「1人っ子政策」が廃止されても教育費が高いのでそんなに増えないのではと思っていた。ただ、一方で「1人っ子」の場合、万が一「1人っ子」が亡くなった場合の夫婦の落胆が激しいらしく、それが社会問題にもなっているという。もしかしたらどんなに経済的に無理をしても、2人は欲しいという感覚もあるのかもしれない。上海以外の他の地域はどうなのか、今後留意してみて行きたい。

 かたや日本ではマイナス金利の話で持ちきりであるが、マクロ政策はこの辺にして、日本においても出生が増えるような本格的な政策があってもいいのではないかと思う次第。

 春節そうそう景気のいい話、この辺でお後がいい様で。

  
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