地域の自治体は支援の末端ではなく先端であり、先端としての機能が果たされなければ、企業にとっては不幸な話だ。等しく政策があっても、支援者の意識と力量により、地域格差が起こっているのを是正する必要があろう。
大企業依存で得たものもある
ただ、行政の仕事はあくまでもサポートであり、最終的には企業側の変革意欲が欠かせない。大企業に言われたとおりに製品を納めてきた多くの中小企業にあっても「大手と中小が密接な関係を維持してきたことで、中小企業は高い技術力を身につけ、それこそが現在の貴重な財産となっている」と精密加工業の社長が力強く語るように、持てるものはあるのだ。それを新しい市場でどう応用して、新たな付加価値をつけられるか、経営者はみなそこに知恵を絞っている。全国には奮闘する経営者やそんな経営者を必死にサポートしようとする支援者がいる。
第2回は、地元の強みを活かしたキラリと光る産業振興策を取る自治体や、地域に根付き事業再生や経営革新に尽力する全国でも評判の支援者たちを紹介し、第3回は支援に依存することなく、あくまでも自主自立の精神で新ビジネスを立ち上げようとする経営者たちの姿も追っていく。
「返済猶予」の間に支援者は何が出来るか、また経営者は何をすべきか、経営革新のラストチャンスとも言えるこの機会を必ずや活かさなければならない。
(第2回に続く)
○今後の更新予定
第2回 : 11月25日(水) キラリと光るこの街の産業支援
第3回 : 11月26日(木) 町工場の親父もここまでやれる
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