2024年7月16日(火)

風の谷幼稚園 3歳から心を育てる

2009年12月10日

「ほら。まんまるー」
少々ゆがんだ円ばんを見せに来た紗耶ちゃん。
しかし、その顔は自分で納得しているまんまるではなさそう。
「うーん。紗耶ちゃんはもっとまんまるに作れると思うよ」と、一緒に1枚作ってみることにしました。
糸を張ってまんまるを描く際、多少ゆがんでも「できたっ」という紗耶ちゃん。しかし、“もっときれいなまんまるになるはず”と、ゆがんだ箇所だけ何度も消してあげると、そのうち「あーっこれはダメだ」「うーん、もう1回!!」と自分で言うようになったのです。そうして約20分かけて作った1枚の円ばん。とってもきれいなまんまるです。
「紗耶ちゃん、見てごらん。これがさっきまで“まんまる”って言っていた円ばん。そしてこれが今作った円ばん。まんまるってこういうことを言うんだよね」
自分で作った2枚の円ばんを見比べてうれしそうに大きくうなずく紗耶ちゃんでした。
“まんまる”の基準が持てたことできっと次回からは“きれいな円ばん”に意識を向けていくことでしょう。                                  鳥1組 学級通信 「おおばこ」より

 最初は基準という概念も知らない子どもたちは、先生の導きによって基準という概念を体で覚え、知的に少しずつ理解していく。そして、その基準をクリアした喜びが、「自己肯定感」すなわち客観的な自信につながり、「もっと成長したい」という意欲を引き出していく。これが風の谷幼稚園の年中児教育の1つの柱なのである。

 さて、今回紹介した「紙工作」の教育意図は、実はまだその一部にすぎない。文字数の関係上、その具体的内容は次週の後編でお伝えすることにする。

※次回の更新は、12月17日(木)を予定しております。

風の谷幼稚園
園長・天野優子氏が、理想の幼児教育を実現するためにゼロから建設に乗り出す。様々な困難を乗り越え、1998年に神奈川県川崎市麻生区に開園。「人間が人間らしく、誇りを持って生きていく」ための教育を実践している。

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