――その導き方について、『頭がいい子の……』では詳しく書かれていますね。子どもとコミュニケーションを取ることの大切さについて教えてください。
小川:子どもの能力はコミュニケーションの中で磨かれます。子ども時代の能力の8割は自信なんです。才能ではなく。やってみてダメだったらやめちゃう子と、「もう1回やらせて!」って言う子の違いは何か。やめないでなんでしつこく挑戦できるかと言ったら、「いつかできるはず」という自信があるからなんですね。
――その自信は、いつ身につくものなのでしょう。
小川:子どもが誰かを見て話しかけたときに、その人がちゃんとこっちを見て「そうだね」って言ってもらえた数が子どもの自信になるんです。子どもは「ねえ見て見て~」って言いますよね。それは見てもらった数だけ自分が育つことを本能で知っているからです。
自分が与えてやったものが子どもをつくると思っている大人って、自分の関心がないことを子どもが言っても無反応だったりします。「忙しいから、そんなのは後!」ってシャッターを下ろしてしまう。子どもは自信をつければ自分で勝手に育っていくって知ってる人は、子どもの話を聞くんですよ。取るに足らないことに思えても。街中で親子のやり取りを見て、「そこでもう一声かけてあげればいいのに」って思うことはよくありますね。忙しいんでしょうけれど、でも、子どもに目と耳を向けてあげてほしいな。
「わからない」には価値がある
――子どもを見てあげるという話で言うと、最近は共働きの家庭も多いです。「うちは一緒にいてあげられる時間が少ないから大丈夫かな」と不安に感じている親御さんにアドバイスはありますか?
小川:まず、子どもはひとりで何もできないというわけではない。「見てあげないと子どもだけでは何もできない」と決めつけてしまわないことが大切です。ただ、やっぱり本人が持っている力だけではできないことは現にありますから、共働きの人の中には「一緒にいられたら横でサポートしてあげられるのに」って申し訳なく思う人もいるようですね。