ネット炎上のかけらを拾いに

2016年8月9日

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 実際の放送を見ると、この発言はこれ以上掘り下げられておらず、このVTR自体にもそれほど時間が割かれていない。どういった意図で室井さんがこの発言をしたか、これ以上はわからないのだが、それでもこの一言は「認識が甘い」と思われても仕方ない。それほど典型的な、よくある同性愛者に対する偏見だ。

時代の感覚と離れていく“大御所”たち

 さて、有名人が炎上した際には2つの対応がある。1つはネット上での謝罪や言及であり、もう1つは無視である。謝罪が行われるのは、多くの場合その有名人が普段からブログかツイッターを行っている場合だ。逆に、その有名人が普段からネット上での発信を行っていない場合は、なんの対応も行われないことが多い。

 たとえばテリー伊藤さんは、たびたびその発言が顰蹙を買い、ネット上で批判されている。最近でも、情報番組で女性の陣痛に対しての「大げさじゃないか」という発言や、高知東生容疑者が逮捕された際に発した言葉に対するコメントが物議をかもした。だが恐らく、テリーさんはネット上での自分の批判をほとんど目にしてはいないのではないか。

 以前、曽野綾子さんがネット上の批判に対して「私はエレキ使わないから」と発言したことが話題になったが、インターネットから情報を入手しない人、SNSを使わない人はやはりいる。さらに、ある程度の“大御所”の方たちは、一般人からの批判を鼻にもかけない節がある。

 室井滋さんが、この発言に関してどのように対応するかはわからないが、彼女はブログやツイッターをやっておらず(手がけた絵本の販促用ブログとツイッターはあるが、2014年から更新されていない)、ネット上での発信がそれほど好きなわけではないのだろう。ただ、だからこそ、ネット上の「世論」とは異なる発言をしてしまったのではないか、という気もするのである。

  
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