前向きに読み解く経済の裏側

2016年8月29日

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ゼロ成長だと、貧しくなるわけではないが不況
経済初心者向け解説

 経済成長率がゼロだと、国内で生産されるモノが増えも減りもしないので、国民の生活水準は一定です。しかし、景気は悪く、失業者は増えます。それは、技術が進歩するからです。新しい設備が導入されると、今までよりも少ない人数で同じ量が生産できるので、企業が雇う人の数が減ります。

 そうなると、失業者が増えます。失業者が増えると、労働力が余っているから労働力の値段(賃金)が上がりません。人々の賃金が上がらないと、物価も上がりません。世の中には「不況だ」「デフレだ」という声が充満し、「日本経済はダメだ」というイメージを多くの人が持つようになります。しかし、繰り返しますが、人々の生活レベルが落ちているわけでは無いのです。

バブル期の実質GDPは405兆円、今は529兆円

 バブルが崩壊してから20年以上経過していますが、その間で「マイナス成長」だった年は数えるほどしかなく、基本的にはプラス成長が続いていました。その結果、最近の実質GDPはバブルがピークであった頃の1.3倍にもなっているのです。平均すれば、毎年1%程度の経済成長をしているのです。

 生活実感としては、「日本人は貧しくなった」と感じている人が多いと思いますが、そうでは無いのです。では、その格差はどうして生じているのでしょうか?

 一つには、諸外国との比較があります。諸外国の経済が発展し、特に中国経済の目覚ましい発展や中国人旅行客の「爆買い」などを見ていると、日本が「相対的に」貧しくなった事を痛感させられ、それが「絶対的にも」貧しくなったとの錯覚を招いているのでしょう。

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