2024年12月19日(木)

家電口論

2016年9月6日

原子炉格納容器の中

 最後に原子炉格納容器内へ入った。特殊な服に着替え、進む。何度となく、分厚い扉を抜ける。そして辿り着いた、原子炉格納容器。なお、7号機の原子炉は日立製である。圧力容器のまわりはグルリと主蒸気管が巡らされている。核エネルギーを蒸気エネルギーにして使うわけである。

 主蒸気隔離弁には、ダンプ用のサスペンションを4本束にして1セットに
した部分がある。メカ的で男心をくすぐられた。ただ叩いてもびくともしない
壁など、物理的な圧迫感が強く感じられた。

「ある」ところから、話をしなければ

 今回の見学で感じたのは、やることはやっているんだなと言うこと。そして、原発の管理は最終的に「人」によるということ。また「モチベーションの高さ」も随所に感じられた。しかし、一番重かったのは、すでに50基近い原発が日本にあるという事実に改めて気付かされたこと。廃炉にするとしても、安定するまで、長い間管理しなければならないということだ。

 原発反対を叫ぶのは簡単。でも原発は、幾ら「粗大ゴミ」シールを貼っても
どこにも持って行ってくれないわけで、「子孫のために」と口にしても、その原発が稼働中であれ、停止中であれ、廃炉中であれ、遺産として残るのだ。しかも管理は、優秀な人でないとできないのだ。墓守とも違う。

 そうなると電力会社が株式会社であってイイのかという議論もでてくるはず。稼働しているなら利益がでるのだが、停止、廃炉でも原発は管理を放り出せない。つまり非常に多くのお金が掛かるのだ。しかも対災害込み!それを大手電力会社は負担することはできるのであろうか? やはり原発は、論を積み、全員納得できるステージを作り、次に進むべきと感じた。

  
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