日米のコンシューマ・エレクトロニクスのトップブランドであるソニーとアップルの2016年4~6月期の業績が相次いで発表された。
その発表資料の数字をビジュアル化して、市場の状況も見ながら2社のコンスーマ・エレクトロニクス事業の現状を比較してみよう。
アップルの4~6月期の売上高は423億5800万ドルだったが、比較しやすいように、ソニーが設定しているドル円レートの103円で換算すると4.4兆円で、ソニーの1.6兆円の約2.7倍となっている。
アップルの「サービス」には、アプリや音楽配信などのインターネットサービス、ハードウェアの有償の保守サービス(AppleCare)やApple Payなどが含まれている。Apple TVやApple Watch、iPodやBeatsブランドのヘッドホンなどの製品は「その他の製品」にまとめられている。
ソニーのMCはスマートフォンを中心とするモバイル・コミュニケーション事業、G&NSはゲーム&ネットワークサービス事業、IP&Sはデジタルカメラなどのイメージング・プロダクツ&ソリューション事業、HE&Sはテレビを含むホームエンターテイメント&サウンド事業を示している。
それらがソニーのコンスーマ・エレクトロニクス分野の製品(以下CE製品)の売り上げになるが、多角化戦略によって、CE製品の売り上げの割合は半分程度までに減っていることがわかる。CE製品の売り上げだけでアップルと比較すると、その違いは5倍になる。
ソニーのCE製品の売り上げは、昨年同期比で-11%だった。2013年に発売されたPlayStation4(以下PS4)の売り上げが堅調でPS4向けのゲームソフトのインターネット販売が寄与したG&NS以外は、軒並み売り上げを落としている。ソニーの復活が語られ始めているが、リストラや固定費の削減努力によって、ようやくコンスーマ・エレクトロニクス事業の黒字化にこぎつけたという段階だろう。
アップルの売り上げも、昨年同期比で-15%と減少した。特にiPhoneの販売の落ち込み(-23%)が目立つ。