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2016年10月14日

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小川たまか (おがわ・たまか)

フリーライター

1980年東京生まれ。教育、働き方、性暴力などを取材。『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。』(2018年/タバブックス)。Yahoo!個人「小川たまかのたまたま生きてる」(https://news.yahoo.co.jp/byline/ogawatamaka/)などで執筆。Twitter:@ogawatam

――そういう風潮はまだありますね。

宋:芸能人がちょっと「子どもをかわいいと思えない時期があった」って言ったら炎上するとか。一般の人でも、子育てがつらいとか手抜きしたいとか、子どもを預けて一人になりたいって言いづらい空気がありますね。

本当のことは普通で面白くない

――あやしい情報は、口コミやインターネットだけでなく、本を介しても広まっていると感じるんですが、なぜ広まってしまうんでしょうか。

宋:本当に必要な情報って別に普通のことだから、あんまり面白くないんですよね。

――たとえば宋先生は本書内で、母乳とミルク、双方のメリットとデメリットを、データを示しながら書いていらっしゃいます。でも、どちらか一方がダメで一方が良いという、はっきりした結果を知りたがっている人も多い気がします。

宋:そうですね。両方にメリットとデメリットがあると、歯切れが悪いと思う人も多いかもしれません。しかも、センセーショナルでもない。反対に、おかしな情報はインパクトが強くて、広まりやすいと思います。

編集:「○○が正解」というほうがわかりやすいし、「○○するだけで病気が治る」という説のほうが、夢がありますから。本当のことを言うと、「歯切れが悪い」だけでなく、「冷たい」って思われやすいというのもあるかもしれませんね。

宋:あとは陰謀論のようなものを信じている方もいるからだと思います。予防接種にしても、打つことを勧めると「あっち側(ワクチン推奨派)」の人かってレッテルを貼られたりしますから。

編集:どういう意味なのかよくわからないのですが、既得権益を守るためとか、お金をもらって推奨しているなどと言われることもあるようです(苦笑)。

――自分と考え方の違う人に対して「金目当てだろう」っていうレッテル貼りはネット上でよく見かけますね。

編集:そうなんです。この本を作るために、著者の方たちはきちんと資料に当たってくれています。「被虐待児は(虐待をする)お母さんを選んで生まれてきた」など、読むに堪えないようなことが書いてあるトンデモ本もです。そういうトンデモ本は、主観で書くだけなので、すごく簡単に書けるだろうと思います。でも、トンデモに反論する方は、ちゃんとデータを調べて裏を取って、どんな批判をすれば正しく伝わるのかを考えます。だから、制作には時間(コスト)がかかるんです。それなのに「金目当て」などと言われると、やるせないですね(笑)。

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