軽量なのにパワーがありすぎ
ただし、試乗してみた感想は「怖かった」。モーターを使うEVはガソリン車と比べてただでさえトルクがある。軽量なのにパワーがありすぎてタイヤは簡単にスキッドするし、これで時速120キロを出すのはなかなか勇気のいることだと思えた。しかしバラード氏は「この車でサンディエゴからロサンゼルスまで自分で運転して来たんだよ」と言う。むむ、感嘆。
しかしこの車、スピードを出さずにネイバーフッド・カーとして利用するなら十分に値打ちがある。それこそピザの宅配などには人目も引くし今後需要が増えるのではないだろうか。
「こんな車を作っているメーカーは他にないし、ライバルはいない。テスラにだって負けていない」とバラード氏は胸を張る。ただし現在の悩みは「政府からのグリーンカー助成金の対象外」という点なのだという。連邦政府、カリフォルニア州はそれぞれ無公害車に対してインセンティブを付与しているが、対象が二輪もしくは四輪で、三輪であるスピラは枠外なのだそうだ。それでも元々の価格が安いから、インセンティブの有無はそれほど販売には影響しないかもしれない。
スピラは現在「ディーラー募集中」だそうで、「乗って宣伝してくれるなら15%オフで売ってあげる」と言われ、少しだけ心が動いた記者なのだった。
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