WEDGE REPORT

2017年1月13日

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第3の公館 済州日本総領事館
既に少女像設置運動が進行中

 今、韓国政府は釜山に建てられた慰安婦少女像のために、にっちもさっちも行かない状況に陥っている。去年9月の世論調査によると国民の76%がソウル日本大使館前の少女像撤去に反対しており、前野党代表であり、次期大統領選挙支持率1位を走っている文在寅氏は「少女像撤去は親日行為だ」とまで明言した。「撤去=親日」という社会的雰囲気が確立してしまった中で、大統領不在の「代行体制」が撤去に踏み切るというのは簡単なことではない。

 だからといって、今の状況を放置すれば通貨スワップ交渉の中断という損失は免れず、もたもたしているうちに、もう一つ残っている日本公館である済州日本総領事館前にも少女像が設置される惧れがある。これはもはや杞憂などではない。2015年には既に「済州大学生が建てる平和碑建立推進委員会」が結成され、幾度にもわたり少女像の設置を要求するデモが済州で行われるなど、活動が続けられているのだ。

 大統領不在中に起きた日韓の葛藤。韓国側がこれまで時間稼ぎをしてきたのが裏目に出たのだ。韓国側の選択肢は二つに一つだ。「法」と「外交」を重視し銅像を撤去するのか、あるいは、「民意」と「情」に従い銅像を放置するのか。ただ、結果の責任は誰が取るのか問題だ。

 前者を選択した場合、批判を浴びる悪役になるのは撤去を進める政府か自治体になるだろう。しかし、民意に従って後者を選択し、そうこうしているうちにスワップ中断による経済的な打撃を受けるような事態に陥った場合、誰が責任を取るだろうか。おそらく誰も責任を取ろうとしないだろう。となるとその怨望は「韓国を苦しめた日本」に向けられるに違いない。それが韓国の「民意」の習性だ。

  
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