世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年1月26日

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 安倍総理が真珠湾をオバマ大統領と訪問し、戦没米兵の慰霊をし、日米の和解と戦後の同盟の意義を強調し、米国が敵国に示した寛容の精神に謝意を表明したことは、日米関係の強化に大きく貢献しました。CNN等を通じ、全世界に報道され、全世界へのメッセージにもなりました。今回の件については、安倍総理の決断に深い敬意を表明する以外、コメントすべきことはありません。演説は非常に優れたものであり、これを推敲した関係者にも敬意を表明します。

 米国のマスコミもほぼ歓迎一色です。このウォールストリート・ジャーナル紙の社説はその一つの典型例です。

ドレスデンの再現

 戦後60周年の際に、ドイツのドレスデン(米英軍が教会を含め無差別爆撃をし、多くの市民が亡くなった)で爆撃の犠牲者を追悼し、ドイツと英米の和解の式典がありました。共同通信の松尾文夫さんがこれに関連し、いつの日か米国大統領が広島を、日本の総理が真珠湾を訪れて、和解の式典をすべきであると当時は夢のように思われたことを主張し、そのことを本にも書かれました。その本を松尾さんから頂戴し、感銘を受けたことを覚えています。2016年、その双方が実現したことは素晴らしい事でした。NHKは安倍総理の真珠湾訪問の7時のニュースに松尾文夫さんを出演させ、そのコメントを放映しました。

 2016年を終えるニュースとしては、良いニュースでした。この件についての中国の反応は、ほかにも南京など戦没者を慰霊すべき場所があるというものでした。謝罪についても、和解の申し出についても、相手がそれを受け入れる状況がなければ、しても意味がありません。中韓は国内政治その他の考慮から、謝罪の受け入れも和解も難しい状況にあると判断されます。

  
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