2022年8月10日(水)

ACADEMIC ANIMAL 知的探求者たち

2010年7月20日

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●ペーパークラフトに飽きてしまったというわけではないんですね。

——ペーパークラフトでやれることはやったかなと思いました。学生時代に作ったソフトウェアが「ペパクラデザイナー」(http://www.tamasoft.co.jp/pepakura/)という市販のソフトになったんです。これは3Dソフトでデザインしたクルマの形や動物の形から、ペーパークラフト用の展開図を作るソフトです。オリジナルのペーパークラフトを作りたいと考える人たちが利用してくれています。従来のペーパークラフトは、いろいろと試行錯誤して作り上げるのが普通でしたが、コンピュータで型紙を自動的に作れるようにしたわけです。それが叶ったので、今度は折り紙に移行して、どういった形がデザインできるかをやってみようと思いました。

●先生くらいになると、立体を見ると、その展開図が浮かんじゃいそう。

三谷氏の作る展開図には、曲線が含まれる。立体を見れば、こんな展開図が思い浮かぶのかもしれない

——一時期そういう癖がつきましたよ。生活していても、「この形はどういう展開図から作れるかな」なんてずっと考えていました。あと、「展開図」という言葉には反応しちゃいますね。昔から紙工作好きな子供でしたし。

 僕は幾何学的な形が好きなんですが、その形をコンピュータの画面で見るだけじゃなくて、手にとって触ってみるにはどうしたらいいだろうか、とよく考えます。

●“三谷折り紙”の今後の展開は? 

包装パッケージにも応用できそう

——幸い、いろんな企業から問い合わせをもらったりして応用を検討しているところ。基礎研究が落ち着いて、今後の応用と発展を検討している段階ですね。大学を通して包装やインテリア会社と協力したり、ワークショップや展示会を行ったり。研究そのものからは少し離れたところで話が進んでいます。

 ランプシェードとか、布で作って服飾のデザインに使うとか。建築の人からは、大きく作って人が入れないかと質問されたり。近い将来に、何か世の中に出てくれたらうれしいなと思います。

●応用の広がりが楽しみです。では最後に、研究者としてのご自分の特徴をお聞かせください。

——いいところは、第三者の目を気にせずに一つのことを継続してできること。自分はこれが好きだからやるんだという姿勢を継続できること、かな。どうして折り紙の研究をやっているの? と聞かれることもあるけど、おもしろいから、と言えます。単純にやって楽しいからやっている。そう言い切ることができますね。こういう研究ができる環境が今の大学にあることを、とてもありがたく思っています。

●ありがとうございました。

——ありがとうございました。

◎略歴
■三谷 純〔みたに・じゅん〕
筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授。1975年生まれ。東京大学大学院工学系研究科修了。09年から現職。著書に『ふしぎな球体・立体折り 紙』(二見書房)など。
HPはhttp://mitani.cs.tsukuba.ac.jp/

「WEDGE」 8月号より

 

 

 

 

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