2022年8月18日(木)

ACADEMIC ANIMAL 知的探求者たち

2010年7月20日

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 大学に入って、インターネットに出会ったのが1996年。そこでコンピュータはやっぱりすごいと再認識して、プログラミングにどっぷりはまりました。一番刺激を受けたのは、その当時できたばかりだったJava言語です。ブラウザ上で動くプログラムを作れるので、作ったプログラムを全然知らない人にも見てもらえる。衝撃でしたね。

●小さな頃から、ずいぶんレベルの高いことをやっていたんですね。でも大学では、精密機械工学科というものづくり系の学科に進まれています。

——ロボットを作ってみたいという気持ちがあったんです。でも精密機械工学科に進んでみて、「あ、違う。こんなにゆっくり作ってられない」と思った。コンピュータ上のソフトウェアだったら学生の自分でもお金をかけずにすぐ作ることができて、公開すれば世界中の人に見てもらえる。だけど、ロボットだとそうはいきません。そのときにやっぱりプログラミングだ、と思ったんです。

 在学中、ベンチャー企業を立ち上げた先輩から、プログラムを作れる人間が必要ということで声をかけられ、一時期は休学をしてベンチャーの仕事もしていました。携帯電話用のコンテンツを作る会社でした。ITベンチャー華やかなりし頃でしたね。その後、やっぱり大学で研究を続けた方がおもしろいと再確認し、もとの研究室に復学しました。結局、学部、修士、博士と、すべて立体図形に関する研究で卒業論文を書きました。

さまざまな折りのパターンを展示。
一口に「折り」といっても、多様だ

●そのあたりから、本格的な折り紙研究の道に入り込んだわけですね。

——そもそもは、さきがけという科学技術振興機構(JST)のプロジェクトがきっかけです。着手した当時は、実際に折り紙を作るのにはあまり興味がなくて、もう少し理論的なことに興味がありました。展開図から完成形を推測するにはどうしたらいいのか。コンピュータの中で折り紙をきちんと表すにはどういったデータ構造が必要か。そんなことを研究していました。

 プロジェクトが終わるにあたって、コンピュータならではの折り紙を実際に作ってみようと思ったんです。どうせなら他の人があまりやっていない、曲面をもった立体的な折り紙をやってみようと。特定のルールに従って形をデザインすれば1枚の紙から作れるということに気づいて、いろいろな作品を作るようになったのは、この1年半ほどですね。バリエーションも増えてきて、作品を展示する機会をいただけるようにもなりました。

●折り紙以前には、ペーパークラフトにもハマッていたとか。

——ええ。紙を切って貼って組み立てるのがペーパークラフトです。でも切って貼ることを許すと、わりとどんなものでもできちゃうんです。それが確認できたので、もう少し制約を厳しくしてみようと思って折り紙に注目したんです。「切らない」「貼らない」で何か形を作るというのは、とても難しいですよね。より難易度を上げたものにチャレンジしてみようと思ったんです。

次ページ “三谷折り紙”の今後の展開は?・・・

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