2024年11月22日(金)

赤坂英一の野球丸

2017年6月14日

巨人と広島の秋季キャンプの違い

 このころ、村田真一ヘッドコーチは「監督がどういう野球をやりたいんかがわからん。まだ本人の頭の中でボヤッとしてるんと違うか」ともらしている。一方、「秋季キャンプは個人よりチームとしてのいろいろな反省点を洗い出し、全体でレベルアップを図るべき」と指摘する首脳陣もいた。「シーズン直後だから選手は身体ができているし、ゲーム勘もある。走塁や中継プレーを見直す反復練習をするには一番いい時期だ。来春のキャンプに持ち越したら、選手の身体も緩むし、感覚も鈍ってしまうから」というのだ。

 実際、その15年に4位に終わった広島は、巨人の隣のキャンプ地・日南の秋季キャンプで、連日チーム全体で紅白戦を行っていた。3回から4回のミニゲームで、投打に問題点があると、その場で紅白戦を中断し、走塁や守備の練習に切り替える。そうやって実戦に必要な技術や判断力を植え付け、さらに夜間練習で個人技を向上させていった。その積み重ねが、翌16年の優勝につながったのだ。

 原監督時代のヘッドコーチだった川相昌弘は昨年から三軍監督を務めている。こちらは45試合(25勝10敗)でチーム盗塁数はすでに98個。この記事がアップされている最中には軽く100個を越えているだろう。三軍の相手は独立リーグや大学・社会人ばかりで、一軍と一概に比較はできない。が、一軍よりはるかに劣るチーム力で、勝つためには打つ以外に何が必要なのか、勝機を確実にものにするためにやらなければならないことは何なのか、三軍の選手たちは着実に学んでいる。

 いまの一軍では、井端弘和・内野守備走塁兼一塁コーチ、大西崇之・外野守備走塁兼三塁コーチが機動力を駆使する役割を担っているはず。もっと選手を縦横無尽に走らせれば、せめて揺さぶりぐらいかければ、巨人の野球も面白くなる、勝てる確率ももっと上がってくる、と思うのだが。

  
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