「彼は天才」
さらに、打線の脇役もチャンスでいい働きを見せるようになった。とくに、「彼は天才」と東出輝裕打撃コーチが評価する代打の西川龍馬、「カープで一番速い」と河田雄祐外野守備走塁コーチが絶賛する代走の野間峻祥の活躍が光る。優勝マジック点灯の5日前、ふたりそろって好プレーを見せた場面は、ファンやマスコミはもちろん、チーム内でも語り草になっているほど。
本拠地マツダスタジアムで行われた3日の阪神戦、3−5と2点差に追い上げていた九回1死一・三塁、西川が阪神の守護神ラファエル・ドリスの155kmの真っ直ぐをセンター右へ弾き返すと、三走に続いて一走の野間も一気に同点のホームイン。三塁コーチャーの河田コーチが、「(腕を)回そうかと思う前に野間が目の前まで来ていた」と目を丸くしたほど。まさに、優勝するチームの選手ならではのビッグプレーだったと言っていい。
それから3日後の6日、東京ドームの中日戦で、巨人の代走要員・重信慎之介が痛恨の走塁ミスを犯している。4−5で迎えた九回1死一・二塁、坂本勇人のセンターフライで一塁から飛び出して二塁を回り、帰塁する際に二塁ベースを踏み忘れたのだ。優勝から遠ざかっているチームはえてしてこういう失態を見せる。広島のカモになっているのもむべなるかな、と思わせる凡ミスだった。
そういう細かい差が積もり積もって現在の成績に現れているわけだ。今季、球団史上最多の13連敗を喫した巨人が取り組まなければならない課題は多い。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。