グーグルアシスタント vs アレクサ
「オッケーグーグル、第21代の大統領は誰だっけ?」や「アレクサ、明日の札幌の天気は?」などのユーザーの質問には、音声アシスタントが自ら答えます。質問に答えることができるかどうかは、音声アシスタントの音声認識と自然言語処理の能力と、その答えを用意することができるかにかかっています。音声認識は音声をテキストに変換し、自然言語処理はそのテキストの(質問や指図の)意図を理解します。
いくつかのレポートは、「ユーザーの質問に答えることができるか」について、グーグルに軍配を上げています。アマゾンが日本語対応に苦労しているという噂もありますが、音声認識と自然言語処理の能力は、音声アシスタントが(機械)学習をすることによって向上させることができます。しかし「答えを用意する」には、自社の知識ベースや、天気予報などの新鮮な情報を提供する他社のサービスとの連携を充実させなければなりません。
グーグルの大きな強みは、長年の検索サービスで蓄積した知識ベースです。世界中の人々が、一日に何十億もの検索を行なっています。グーグルはそれによって人々の興味の対象を知り、その対象についての事実を集めてデータベース化しています。Google Assistantは、その知識ベースを使ってユーザーの様々な質問に答えることができます。
Google Homeを待たなくても、 スマートフォンでGoogle Assistantとの会話を体験することができます。すでにAndroid 6.0以降のスマートフォンでは、「オッケーグーグル」で、お馴染みのGoogle Nowに代わってGoogle Assistantが起動するようになっているはずです。iPhoneでは、Google Assistantというアプリが提供されています。こちらは、質問のたびにマイクのアイコンを押さなければならないという手間がありますが、日本語で「ユーザーの質問に答えることができるか」という実力を十分に確認することができます。
スマートスピーカーを置く予定の場所にスマートフォンを置いて、Google Assistantと会話してみてください。「一般的な質問」や「天気予報」や「タイマーやアラーム」などを音声で質問したり指図したりする体験が、将来、あなたの生活になくてはならないことになると感じるでしょうか。
音楽ストリーミング
私は、ウォークマンやiPodが出現し、そしてスマートフォンへの音楽ストリーミング配信が始まって、リビングや自分の部屋で、スピーカーから流れる音楽を聴くという習慣は徐々に少なくなったのではないかと想像しています。「いや、そんなことはない」という人にとっては、「音楽ストリーミンング」がスマートスピーカーを購入する大きな理由になるかもしれません。
アマゾンのEchoではAmazon MusicとSpotify、Google HomeではGoogle Play MusicとSpotifyとApple Musicが、日本でも利用可能になると思われます。いずれも月々の利用料がかかりますが、最近になってGoogle Homeでは、無料版のSpotifyも利用できるようになりました。
AlexaもGoogle Assistantも、いずれかの音楽ストリーミングを選択しておくことによって、例えば「アレクサ、ビートルズがやって来るをかけて」と言えば、そのアルバムを再生してくれます。さらにGoogle Assistantは、うろ覚えの歌詞の一部や、「キャント・バイミー・ラブが入っているアルバム」といった断片的な情報を伝えるだけで、その曲やアルバムを探し当ててくれるようになりました。これも、強力な知識ベースによって可能になったのだと思います。
しかし、音楽を再生するスピーカーとしての音質については、いずれも期待しないほうが良いでしょう。アップルのHomePodや、AlexaかGoogle Assistantに対応したいくつかの家電メーカーのスマートスピーカーは、高音質の音楽再生を売りにして、Google HomeやEchoの倍以上の価格になっています。