2024年12月22日(日)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2017年11月7日

最も健康に悪い生活習慣は喫煙。では2番目は?

  「健康に一番悪い生活習慣は?」と問われれば、10人中8~9人は喫煙と答えるだろう。では、2番目は?

 カロリーのとりすぎや肥満? 飲みすぎ? 運動不足? 睡眠不足? バランスの悪い食事? ストレス? 朝食抜き? このいずれでもない。正解は食塩(ナトリウム)の過剰摂取。

(iStock/logoff)

 これは筆者の憶測ではない。2011年に開催された国連の学識者会議における結論である【※1】。肥満や不健康な食事や運動不足、有害な飲酒、冠動脈(心血管)疾患のリスクの低下などを抑えての「堂々の第2位」に食塩の過剰摂取が入った。これは国際会議での結果だが、日本人は先進国の中でもとりわけ食塩摂取量の多い国民なので、さらに注意が必要になるだろう。

 私たちの舌は「身体にいいもの(必要な成分)」をおいしいと感ずるように進化してきた。なので、基本的には、「おいしい物は身体にいい」と考えてよい。言い換えれば「自分の舌を信じて(本能のままに)食べていれば、健康になれる」はずだ。食塩についてもそれはいえるだろう。食塩(中のナトリウム)は体液(血液など)の濃度を一定に保つためになくてはならない成分だ。

 しかし陸上には食塩はめったに存在しない(海は食塩だらけだが)。そのため、私たちヒト(という生物)は「塩を見つけたらとにかく口にする」という習慣を身につけた(舌を頼りにして)。ただし、人工的にこんなに簡単に食塩が手に入る世界が訪れようなどとは夢にも思わなかったに違いない。本能に任せていると、ヒトは必ず食塩の過剰摂取に陥る。

 とはいえ、多くの人は、食塩含有量の少ない(つまり薄味の)食べ物よりも濃い味(食塩含有量の多い)の食べ物のほうをおいしく感ずる。ほとんどの外食店では、お客さんの健康よりも売り上げを優先するので、外食店の食べ物は必然的に濃い味になる、つまり、外食が続くと食塩摂取量は増える。何よりも、外食が続くと「濃い味」を「普通の味」と認識するため、「普通の味」を「薄味でおいしくない味」と感ずるようになる。

 食塩摂取量を減らすコツの1つは「外食の味」に慣れてしまわないこと(ビジネスパーソンに外食を減らせといっても無理だろうから)。

【※1】The UN High-level Meeting on Non-Communicable in September,2011


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