2024年11月22日(金)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年2月5日

油脂は「植物油」と「動物脂」に分類される

チョコレートの原料は(一般的に)砂糖・カカオバター・全粉乳・植物性油脂等々があるが、チョコレートたるゆえんつまり「チョコレートらしさ」を担っているのはカカオバターだ。
他の材料がなくてもチョコレートらしさは失われないが、カカオバターが入ってないと、それは「チョコレート」とはいえない物になる。

チョコレートの「主成分」ともいえるカカオバターはカカオ(植物)の実を発酵させて作る油脂なのだが、なぜか「バター」という動物性油脂の名称になっている。

ここで簡単に「油脂」の説明をしておこう。
油脂は「植物性油脂」と「動物性油脂」に分類される。
植物性(植物由来)の油脂を「油(英語ではoil)」と言い、動物性(動物由来)の油脂を「脂(英語でfat)」と言う(牛乳などの「乳」からとった油脂だけは特別に「バター」と呼んでいる)。

「油」と「脂」は、基本的には「植物からとった物か・動物からとった物か」で区別されているのだが、もう1つ別の基準もある。
それは「常温(15~25度Cくらい)で液体であるか・固体であるか」という基準だ。
常温で液体の油脂を「油」と言い、常温で固体の油脂を「脂」という。
2つの分類をまとめると「植物油」と「動物脂」と言うことになる。

ところが、どこにでも例外というのはあるもので、動物性なのに常温で液体の「動物油」もあるし、植物性なのに常温で固体の「植物脂」というのも存在する。
前者の代表は魚油、後者の代表はココナツ脂だ。
魚の油脂は常温で液体だし、ココナツの油脂は常温で固体である。

物理で習ったはずだが、物質は温度が低いときは固体で、温度が高くなると液体になる(さらに高くなると気体になる)。
固体から液体になる温度を、その物質の「融点」という。
たとえば水の融点は0度Cなので、水は1度Cなら液体だが、-1度Cなら固体つまり氷になる。

チョコレートは口に入れたとたんに溶け出す

つまらない物理の基礎をダラダラ述べて、ゴメンナサイ!
さて、今度こそホントにチョコレートである。

チョコレートには必ず使われているカカオバターの融点は32~36度C。
ナント、私たちの体温とほとんど同じなのだ!
そのため、チョコレートは部屋に置いてあると固体なのに、口に入れると液体となる(つまり食べるとすぐに溶ける)。

チョコレート(のカカオバター)の中に閉じ込めてある「甘さ」や「香り」や「複雑な風味」などが一挙に口中に拡がることになる。
アメやケーキよりも「おいしさ」を感ずるスピードが速いのだ。
おいしくないわけがない。

これが、ほとんどの人がチョコレートを好きな理由だ(と私は考えている)。
義理だろうが本命だろうが、バレンタインにはこれを利用しないテはない。

しかし、じつは、同じ理屈からチョコレートよりも強力なアイテムがある。
それはアイスクリームだ。
アイスクリームは、その「おいしさ」を水に閉じ込めた食品だ。
前項に書いたように、水の融点は0度Cなので、口に入れるとチョコレートよりも早く、「瞬時」のうちに溶ける。
アッという間に、魅力が口中に拡がる。

冒頭で「チョコレートはほとんどの人が好き」と書いたが、そういう意味では「アイスクリームはほぼ全員が好き」といってよいだろう。
つまり「絶対に外れない」。
でも、バレンタインはやっぱりアイスではなくチョコだよね?

幸運を祈る!
 

  
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