2024年4月20日(土)

WEDGE REPORT

2018年4月18日

世論操作の代価として、大阪総領事を要求?
真相を明らかにするには脅迫コメントも

 今年1月、金氏は、自分が運営するインターネットコミュニティで会員に向け「私たちは1年4カ月の間、文在寅政府を助けながら金慶洙議員との関係を保ってきた。金議員に大統領選挙で勝つ前に、駐日大使か大阪総領事の座を要求したが、その座は外交的な経験が豊富な人でなければダメだと断られた」という内容の文章を公開している。

 そして「もし、外交的な経験のない『親文』の記者を大阪総領事に任命でもしたら黙ってはいない」という強烈な一言を残したのだ。

 その後、何が起きたか。約 3カ月後の2018年4月7日、ハンギョレ新聞出身の記者が駐日大阪総領事に任命されたのだ。

 外交官としてのキャリアが全くない新聞記者、呉泰奎氏が大阪総領事に任命されたのは異例中の異例である。この任命は世間を驚かせ、彼の手腕を疑問視する声も上がったのだが、金氏による3カ月前のコメントは、すでに誰が任命されるかを知っていたかような内容であった。

 さらに驚かされるのは、同じ1月にネット上に残した「安知事を飛ばそうが、何をしようが、私はそんなことでビビる人間ではない」という言葉だ。

 これは今年3月に秘書から性的暴行被害を暴露され、事実上、政治生命に終止符を打った安熙正忠南知事を指す言葉だが、暴露される2カ月前にすでに「安知事を飛ばす」ことを金氏が知っていたことになるからだ。

 ここで重要なことは、「飛ぶ」ではなく、「飛ばす」という表現だ。次期大統領選において有力候補の一人とされる安知事の墜落をすでに2カ月前から金氏が知っていたとすれば、安知事を「飛ばした」のは誰か? 与党内部の権力闘争によるものなのか、あるいは別の理由で女性の暴露が計画されていたのではないか? という疑念がわいてくる。


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