宝塚退団後、「古代の国道一号線を行く」というテレビ番組に出演した私は、額田王のシャーマンとしての才能や現在も信仰される大和三山の魅力を知りました。また、私も年を重ねるうちに辛い恋も経験し、今では二人の皇子の間で揺れ動く額田王の苦しみがほんの少し、理解できるようになりました。もしかしたら彼女は、孤独な統治者となった初恋の人を側で支えたかったのかもしれません。その額田王の強さ、そして意にそわぬながらも送り出した大海人皇子の器の大きさに、あらためて魅力を感じてしまいます。
じつは、この歌にはさまざまな解釈があり、三角関係を詠んだ歌ではないともいわれています。でも私は願っているのです。今に伝えられるようなロマンティックな物語であってほしいと……。
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