2022年12月10日(土)

使えない上司・使えない部下

2018年6月1日

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Q. 売った側の創業者や役員などは、どのくらいのお金を得るのでしょうか?

(JaySi/iStock)

 売った場合の創業者利益は、会社の業績やプロダクト、サービスの価値や、今後伸びていく可能性によるでしょう。買う会社にとって、メリットがどれほどあるか…。いずれにしろ、このベンチャーの社長は、数億円は間違いなく手にしただろうね。役員数人は創業メンバーではなく、創業5~6年目に金融機関などからハンティングされてきた人たちだった。そのひとりから聞く限りでは、バイアウト時に得たお金が2000~3000万円みたいだったみたい。このあたりは、創業者である社長の関係によるだろうね。

 この創業者にしろ、役員にしろ、今後、ますます、投資家になるんじゃない? もともと、事業への愛はあまりないんだろうから、また、創業しても売るでしょう。あるいは、その類の創業者が経営する役員に名前だけを貸して、報酬を得るとか。

Q. この経営者たちの特徴は、どのようなところにあるのでしょうか?

 つまりは、事業愛がないんですよ。40~50年前の創業経営者のように、石にしがみついても…といった思いがない。その時代も、売っちゃえばいいじゃん! という経営者はいたんだろうけど。今はそれが増えて、大胆になっているんじゃないかな。

 事業への愛はないけど、中には、社員への妙な思い入れを持つ創業者はいる。これが、今の30~40代前半までのベンチャー創業者の一部が、抱え込むジレンマじゃないかな。2008~09年のリーマン(ショック)で経営難になり、役員や社員が大量に辞めたベンチャーが多い。創業者は残った社員と一緒にその危機を乗り越えてきた。昔の経営者のような恩や義理を感じている。

 でも、事業を拡大させる意欲も情熱も、知恵も戦略もない。だから、ジレンマに陥る。それでこの7~8年年近く耐えていたんだけど、売上が「10億円の壁」の前後や、それを乗り越えても20~30億円前後でゆきづまる。しびれを切らし、売っちゃう。そんなところが、今は多いんじゃないかな。

 2020年になるまでに、つまり、日本経済最後の宴の時期にバイアウトで逃げる経営者…とも言えるんじゃない? なんちゃってベンチャーの、疲れちゃって、バイアウト…(笑)。バイアウトが増えている大きな理由って、このあたりにあると私は見ている。戦略として全然、間違いじゃないけどね。

 このような経営者とお酒を飲むと、おかしなことを言うのがいる。「レバレッジをきかして…今後は生きていく」と自信満々に語る。おい、おい、「レバレッジ」の意味をわかっていないんじゃない? と言いたいね。バイアウトして得た、いわゆる創業者利益で、「新たに何かに投資して、自分がやりたいことをしていく」と話すんだけど、何か変じゃない? 私からすると、ちょっとついていけない。

 この経営者たちは、ベンチャーの経営者だった〇〇さんや〇〇さんに憧れていることがよくわかる。この人たちは経営者というよりも、投資家だったからね。

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