2024年11月22日(金)

Wedge REPORT

2018年7月19日

「未利用、低利用」の地元産品を活用した商品開発に挑む

 そうしたなかで話が行き着いたのが、「みんなみの里」のことだった。完成から20年近く経って建屋にくたびれ感が出てくる一方で、近隣には新たな「道の駅」が完成し、お客を奪われるという状況にあった。

 それでも、道の駅のように「土産物」をメインにした場所ではなく、今まで通り地元産の物を売る「直売所」機能は残すべきだと考えていた。そこで考えたのが「6次化」のための実験施設だ。未利用、低利用の地元産品を活用して新しい商品を開発する場所を新たに設ける。

「開発工房」では、地元産品を活用した新商品の開発に挑む

 このようにしてコンセプトを固め、それまで指定管理者として運営を担ってきた鴨川市農林業体験交流協会とも合意して、「里のMUJI みんなみの里」として再スタートした。

 直売所とレストランを併設した「Café&Meal MUJI みんなみの里」、無印良品を扱う「無印良品 みんなみの里」、そして「開発工房」を新たに新設した。ここに各種、調理器具を設置し、様々な商品開発を行うというものだ。

「Café&Meal MUJI みんなみの里」
ジビエカレー(900円)

「地元の人に使ってもらうことが第一」

 取材に訪れた日も、朝8時前には地元の生産者が、台車に野菜などを乗せて、直売所に運んでいた。皆、自分で丹精込めて生産したものだけに陳列棚に置く手さばきがどこか優しい。露地物が基本なので、季節の野菜、果物が中心だ。

売場には地元産品が並ぶ

 開店時刻の9時には多くの地元の人が訪れる。トマト4つで180円。ナスが3本で150円などなど。都会のスーパーよりも圧倒的に安い。「何よりも、地元の人に使ってもらうことが第一です」と高橋さんは言う。早速、朝10時からは地元の若手生産者15人と開発工房で、新商品開発の戦略を練る会議だという。無印良品と鴨川市のコラボの行方が楽しみだ。

  
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