ロシア、中国も追随
何よりも世界的に軍縮が叫ばれる中での新たな軍の設立には、国防省長官である「狂犬」マティス氏でさえ反対している、と言われている。米国がスペース・フォース設立に動けばロシア、中国も追随する可能性が高く、本物のスター・ウォーズが実現してしまう危惧さえある。さらには宇宙空間を少数の国が支配することに反発する国もあり、国際的な問題に発展するかもしれない。
ジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジンが来年から「宇宙旅行」の予約受付を開始する、またテスラのイーロン・マスク氏が火星ロケットの開発を目指す、など宇宙には民間の開発の手も伸びている。スペース・フォースが設立されることでこうした民間の宇宙事業にどのような影響が出るのかも現時点では不透明だ。
ペンス副大統領は「スペース・フォースの目的は宇宙空間の平和を保つことにあるが、歴史が証明している通り平和は力を通してしか実現できない」と語った。内向きな政策により世界の警察の座を降りようとしている米国が宇宙の警察に名乗りを挙げる、というのは何とも皮肉な動きだ。
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