受験勉強の先々の計画に詳しい人、例えば塾の先生に尋ねるのです。
「この先、今の成績で乗り越えるのが難しい単元はありますか?」「それはいつから始まりますか?」といった具合です。
先生が、「5年生の6月から始まる『比と割合』は、抽象的思考力が問われるので、それが苦手な子はつまずきやすい単元ですね」と教えてくれたら、
「では、うちの子の場合だと、4年生の終わりまでに何をクリアしておけばいいですか?」とさらに聞くといいですね。
このように先の見通しを立てるスキルを身につけると、上手に待てるようになって行きます。
「待つ」のに必要なのは我慢ではなく、準備とスキルなんですね。
仕事で得たスキルを子育てに活かせば、子育てはもっとラクになる
同じことは、ビジネスでも言えます。
例えば、営業の方は日報に、この企業は見込みが高い、低いなどの見立てを記録しますよね。そして、どのくらいの可能性があるかを書き出したり、社内で使えるリソースや情報を集め、次の作戦を練ったりするでしょう。
今はまだ契約に結びつかないけれど、この先はどうにかなるという見通しを立てておく。そうやって根拠を揃えることで、目先の案件にやみくもに飛びつくことなく、一つひとつを焦らずきっちり進めていくようにする。
そんな取り組みが出来ている時は、成果も上がりますし、部下の頑張りを待つことも出来ますね。
簡単ではないにせよ、仕事の中で日々意識して取り組んでいるこうした経験を、ぜひ子育てにも活かしてください。
仕事は仕事、子育ては子育てと分けてしまうと、子育てが特別なことのように感じられてしまって、肩に力が入りがちです。とてもしんどいものになってしまいます。
でも、「仕事で得たスキルを子育てに活かせばいいんだ」と発想の転換をすることで、子育てにちょっとしたゆとりと自信が生まれてきます。
親のゆとりは、子どもの自信。自分でやってみようとする様子を見せてくれて、また親も学ぶことがある。
そうして親と子がそれぞれ成長することで、家族の幸せが膨らんでいく。
まさに「かけ算」の子育てを、ぜひ楽しんでいただきたいなと願っています。
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