子どもの自信を育てる親の3原則
子どもに自分らしさを発揮し、得意を伸ばしてほしいと望む親御さんに、心がけて欲しい3つのポイントがあります。私はそれを「子どもの自信を育てる親の3原則」とよんでいます。
(1)わが子を認める
(2)わが子を信じて見守る
(3)本人自身が動き出すのを待つ
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(1)はわが子の「あるがまま」を認めることです。
あなたはお子さんが生まれたとき、どんな感情をいだきましたか? 小さくて、か弱いわが子を見たとき、「無事に生まれてきてくれてありがとう」と、今ここにいる存在だけで愛おしく感じたのではないでしょうか?
寝返りが打てた、ご飯を昨日より一口多く食べられた、そんなことの一つひとつを「できたね」「すごいね」と喜びませんでしたか?
ところが、子どもが成長すると共に、親の多くは、できないこと足りないことばかりに目が向いてしまいがちです。希望、願望、予定が次々に入ってくるので、「今のままじゃ間に合わない」「早く〇〇させなければ」という思いが勝ってしまうのですね。
先の予定に目が向いて、その分だけ子ども自身から目が離れてしまっています。
また、子どものことを認めているつもりで、実は自信育てからは遠ざかっていることもあります。
「○○できたじゃないか。よし、それでいいんだぞ!」といった関わり方です。
本人の成果を褒めているようですが、この関わり方はわが子を認めているのではなく、親が評価してしまっています。「アウト!」「セーフ!」とジャッジしているのと変わりません。
「認める」とは、「あなたは○○しているんだね」「あなたは○○できるんだね」と、わが子をあるがまま受け入れることです。それには、わが子をしっかり観察する必要があります。子どもの行動や反応を通じて、「この子は今、こんなことに興味を持っているんだな」「こんなことを頑張ろうとしているんだな」とわが子を知り、その「あるがままのわが子」を受け入れるのです。
「見守る」とはお互いの距離感を選び直していくこと
(2)は子どもの力を信じて、自分自身で伸びていけるように見守ることです。
「見守る」とは、子どもをただ眺めているのとは違います。「見守る」と「眺める」の違いとは、子どもに気持ちが向かっているかどうかです。また、「見守る」ことは、「監視する」こととも違います。
「見守る」とは、必要な時には手を伸ばしてあげられる距離を保ちながら、自分で決められる自由を本人に渡すことです。
幼児の時なら、最初はいっしょにやってみて、少し慣れてきたら本人の好きにやらせてあげる。
もう少し大きくなったら、「いきなりは難しいかな。でも、自分で頑張ろうとしているから、もう少し黙っていようかな」。
自我が出てきたら、「自分で選ぶだろうから、任せていていいよね」と、子どもの成長を認めながら自分の関わり方を変えていく。
子どもとの距離感を、選び直していく。
この見守りが、子どもに安心感を与え、自分でやってみようという意欲へとつながるのです。
新しく配属された部下を育てる時のことを、思い出してください。最初は一通り説明するでしょうが、徐々に口出しの仕方、指示の出し方を変えて行きますよね。
いつまでもすべてを指示していたら、伸びません。しかし、まだ独り立ちには程遠い段階で、丸投げのように仕事と責任を渡してしまえば、結果も出せず、自信も意欲も育ちません。
やはり、日々の成長の様子を観察し、「そろそろ任せてみるかな」と、関わる距離感を選び直すものだと思うのです。
まして親子は、もともと誰よりも距離が密着しているところからスタートしますから、部下とのそれとは比べのものにならないぐらい、距離感の選び直しが大切になってくるのですね。