2024年11月22日(金)

赤坂英一の野球丸

2018年10月31日

試合になったら厳しいのは、最近の選手たちも同じ

 それでも、いざ勝負がかかったときの打線のつながり、足を使った揺さぶり、水も漏らさぬ守備の鉄壁ぶりはどこのチームにも引けを取らなかった。と、こういう話を今の広島首脳陣に振ってみると、「いや、試合になったら厳しいのは、最近の選手たちも同じなんですよ」とこんな答えが返ってきた。

 「表面上は仲が良いように見えても、チーム内ではライバルですからね。実際はみんな、腹の内でお互いの実力をきっちりと見定めている。つまらないエラーをしたり、セーフになるかもしれないのに凡打で全力疾走を怠ったり、やるべきことをやらない選手はみんなから『何やってんだ!』という目で見られる。そんな選手はいくら人気や過去の実績があっても(緒方孝市)監督に打順を下げられたり、スタメンから外されたりするんですよ」

 「ウチの選手同士が仲良くできるのは、(首脳陣が)誰もが納得できる起用法をしているからこそです。ここという勝負どころで弱いチームには、『どうしてあんなやつが使われてるんだろう』と選手に思われているスターやベテランがいる。そういう選手を出さないといけない事情もあるんでしょうけど、最も大切なのは選手同士が不満や不信感を抱かない起用法を貫くこと。安定した成績を挙げ、勝てるチームをつくる秘訣のひとつじゃないかと思います」

 広島ナインの結束力の強さは、あくまでも実力最優先の選手起用のたまもの。逆に言えば、首脳陣がそういう方針さえ徹底していれば、チームは自然とまとまるということかもしれない。

  
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