2022年8月10日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年11月21日

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 米国の対イラン追加制裁は、イランを困らせるとともに、「P5+1」の他の当事国、日本、韓国などを困らせている。イラン石油の輸入禁止については、石油価格が高くなりすぎると困るということで、日本、韓国、中国など 8 か国に例外を認めるということであるが、それは180日間という期限付きである。

 とりあえずは、イランとの石油取引を認める以上、金融面でも孤立させることは先延ばしすべきであるが、SWIFT(国際銀行間通信協会:世界各国の金融機関などに高度に安全化された金融通信メッセージ・サービスを提供する、金融業界の標準化団体)がイランの特定銀行へのサービスを止めたとの報道もあり、実態がはっきりしない。ただ、米国が金融面で持つ力は、トランプ政権が続く限り、濫用される可能性がある。かかる権力濫用はできない方が望ましい。日欧米で何らかの取り決めをすれば、濫用は防げるのではないか。代替システムを作ることもできると思うが、すでに SWIFT がある以上、それを利用していくこと、こういういわば技術的機関は制裁の対象にはしないこと、などを合意すればよい。

 米国のイラン制裁への対応、核合意よりの離脱は安保理決議2231に反すると思われる。最近、国際司法裁判所も米国の一方的制裁に関する暫定措置を決定したとされるが、この問題についての法律的側面はもっと検討する必要がある。

 世界はジャングル化してきているようだ。それを一番推進しているのがプーチンであるが、トランプ、習近平も似たようなものである。そういう中で日本は独仏(英は Brexit でそれどころではない)と一緒にそれに歯止めをかける役目をできるだけ果たすべきなのかもしれない。
 

  
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