2024年11月22日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年11月21日

 11月5日、トランプ政権は、イランの核開発疑惑について、新たな制裁の発動を発表した。国務省より「イランの核開発を抑制する」と題するファクト・シートが発出されたので、その要点を紹介する。

(Chansom Pantip/GlobalP/AlexLMX/iStock)

・イランの核開発への制裁を解除するほどは、イランを信用できない。米国は、イランが核を持とうとすることのないよう関与する。

・本日より、一部の活動を除き、全てのイランとの原子力協力は、制裁の対象となる。それには、以下が含まれる。

・イラン原子力機関及び23の下請け企業

・イランの核開発に現在行われている以上の制限をかけること。イランが外国の支援を得て新たな原子力施設を求めることをできなくすること。それには、現在のJCPOAでは許されている原子炉等を含む。

・現在の制限以上のイランの核能力の向上に関わることも制裁の対象になる。

・我々は、イランが再び核開発をすることがなく、現状維持に留まる範囲で、一定期間継続中のイランのプロジェクトを許すだけである。 

・我々は、特に、アラック、バシャール及びファードウにおける不拡散プロジェクトの継続を許している。それは、透明性を確保すべく最も厳しい調査を行ない、イランへの制裁は維持したままのもとである。

・これらの特別な活動を認めることは仮の措置である。それらはイランの民間原子力計画を残すことになる。これは、アラックでの不拡散のリスクを軽減し、バシャールでの安全なオペレーションを維持し、イランの濃縮ウランの貯蔵を制限し、そしてファードウ等のサイトをイランが再構築するのを妨げる。そうして、イランの計画に対して我々の制裁能力を強め、イランへの圧力を維持しながら、新たなより強い取引を求めて行く。 

参考:Department of State ‘Constraining Iran's Nuclear Program’ November 5, 2018


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