「レノボは中国企業じゃない!」
しかし、レノボは自らこれを否定しようとしたのである。2018年9月14日、「レノボCEO:われわれは中国企業ではない。われわれはグローバル企業だ」という記事(英字メディア「Inquirer」)は世界を驚かせた。
レノボの楊元慶CEOはこう語った――。
「レノボはグローバル企業です。われわれは中国企業ではありません。われわれはグローバル業務を展開している。営業やマーケティングだけではない。中国やアメリカ、ブラジル、ドイツにR&Dチームも持っているし、中国やアメリカ、ブラジル、メキシコに工場もあります。さらに、経営陣も多国籍です。中国人は一部だけです。たとえば、COOがイタリア人で、ほかにアメリカ人やカナダ人の幹部もいます。われわれはほかの中国企業と違う。他の多国籍企業とも違う。はい、違います」
どう違うのか? よく分からない。さらに楊氏は続ける。
「われわれはどんな国にいても、つねにグローバルの規則を守ります。これはとても重要です。レノボは業務を展開しているすべての国で、われわれはすでに信頼できるイメージを築き上げました。だから、われわれは攻撃を避けることができたのです」
攻撃? 何だか穏やかではない。何の攻撃かは分からないが、一種の戦闘状態に置かれている雰囲気がひしひしと伝わってくる。なぜか中国企業という出自を意図的に希薄化しようとしていた。それは中国企業として見られることに何らかの不都合があるとしか思えない。