2024年7月15日(月)

Wedge REPORT

2011年9月28日

 浅野君は科学部に所属する公立中学の2年生。一見すると普通の中学生だが、話を聞くと言葉遣いも丁寧でしっかりしている。キャンプについて、「4時間かけてDVD1枚分のデータをひたすら分析したのが一番大変だった。でもキャンプ自体は楽しかったので、あと2日はほしかった」と感想を話す。浅野君は両親から特別な教育を受けたわけではない。ただ、小さい頃からコンピューターには興味があったが、どうやって13歳にしてキャンプに参加できるほどの技を磨いたのか。

 「4歳のときに姉がインターネット用のパソコンを買ってもらって、ネットを使うようになった。小学4年生のときに、無線でやりとりされる暗号化情報も他人に解読されるんじゃないかと思っていろいろ調べはじめ、小学6年生ぐらいから通信データの解析を始めた」

 と独学で専門知識を深めてきたことを教えてくれた。専門書は4000〜5000円と高価なため、お小遣いでは買えず、分からないことは全てインターネットで調べたという。

「自分よりレベルの高い人と交流できたことが何よりよかった」とキャンプを振り返る浅野大我君

 非凡ぶりを示す兆候がなかったわけではない。

 「よく父親を家電量販店に連れていっていました。動物園よりも秋葉原、漫画よりも家電の取扱説明書が好きな子でした」

 と浅野君の母親は話す。家ではリビングルーム以外でコンピューターに触ることができないルールになっている。キャンプを終えた今、浅野君は「ネットワークセキュリティの専門家の道に進みたい」と将来の夢を語る。

国家をあげてサイバー攻撃を仕掛ける中国

 9月18日、内閣府や人事院のホームページが一時閲覧しづらい状態になった。この日は、日本が一年で最もサイバー攻撃を受ける可能性が高い日の1つである。満州事変の発端となった柳条湖事件が勃発した日であり、中国では「国恥記念日」として各地で式典が催される。今年も事前に中国の複数のウェブサイトで日本政府へのサイバー攻撃を呼びかける書き込みがあった。

  アノニマスのように無秩序な集団が「サイバー攻撃」を仕掛ける場合もあるが、いまや国家をあげて仮想敵国を標的にした「サイバー戦争」を仕掛けてくる。とりわけ犯人として取りざたされるのが中国だ。8月7日に警察庁が発表した『平成23年警察白書』では、昨年日本が受けたサイバー攻撃の大半は中国からであると言及したのにつづき、24日には米国防総省も年次報告書のなかで、中国からのサイバー攻撃が安全保障上の脅威であると指摘している。

 中国政府は「中国犯人説」を真っ向から否定するが、組織的に行われていることを裏付ける証拠もある。コンピューターセキュリティ会社エフセキュアによると、7月17日に中国の政府系軍事専門チャンネルで、米国を狙うサイバー攻撃の様子が誤って放映されていたという。

→問題の番組を見たい方は次ページへ


新着記事

»もっと見る