World Energy Watch

2019年2月18日

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ソフトバンク太陽光発電事業の紆余曲折

 昨年3月末の2億kWの太陽光発電設備建設構想発表直後、英「フィナンシャルタイムズ紙」は、構想実現には超えるべき山がいくつもあると指摘する記事を掲載した。

 同紙が指摘したのは、ソフトバンクとの覚書調印に関し、サウジアラビアでの再エネ導入を管轄する再エネ事業開発局(REPDO)を指揮下に置くエネルギー産業鉱物資源相が事前に何も知らされておらず、同相と太陽光発電事業への出資を予定しているサウジアラビア公的投資基金総裁との間で、主導権争いが起こっていることだった。さらに、REPDOが進めている入札方式による再エネ導入と2億kWプロジェクトの関係が不明であることも挙げられていた。

 サウジアラビア国内での主導権争いに加え、同国政府が太陽光発電に関し行き当たりばったりの計画を発表しているのではとの見方をするメディアもあり、構想実現は懐疑的にみられていた。2013年にサウジアラビア政府は1600万kWの太陽光発電設備を2032年までに導入すると発表していたが、その後目標は4100万kWに修正され、さらに2040年までにとされた。しかし、2017年末の導入量は5万kWに過ぎない。その後入札により30万kWの設備建設が決まっているだけだ。2億kWの目標達成が可能か疑問を持つメディアが出るのも当然だった。

 9月末に米「ウォールストリートジャーナル紙」は、サウジアラビア政府高官の発言として2億kWプロジェクトは棚上げされたと報道したが、10月2日エネルギー産業鉱物資源省は次の声明を発表し、この報道を否定した「本省は、ソフトバンク、公的投資基金を始めとする国内の関係者と共にいくつかの大規模太陽光発電設備に関する作業を進めている。2030年までに2億kWの設備を建設することが目標だ」。

 しかし、本構想と共に進められるサウジアラビア国内に建設される太陽光発電関連設備製造工場は、まず中国、韓国企業が担うことになった。構想の一部は予想と異なる展開を示し始めたようだ。

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