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World Energy Watch

2019年2月18日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

太陽光設備製造事業に進出する中国企業

 昨年11月30日と12月1日に開催されたG20ブエノスアイレス・サミットに参加した中国習近平主席は、ムハンマド皇太子と面談し、エネルギー供給、投資などについて協議したと報道された。中国は、サウジアラビア原油の輸入国としては2017年日本に次ぎ2位だったが、昨年中国のサウジアラビア原油の輸入量は大きく伸び、日本を抜き、1位になったようだ。サウジアラビアが最大の輸出国中国の意向を忖度したわけではないだろうが、中国企業主体の合弁事業体による太陽光関連設備工場の建設が、今年になり相次いで発表された。

 中国西安に本社を置く世界4位の太陽光モジュールメーカ・ロンジーソーラが韓国OCIと共同で、サウジアラビアにて太陽光パネルの樹脂製絶縁材の製造に乗り出すと発表した。投資額は20億ドル、企業化調査は今年前半終了予定だ。さらに、4年前に不正経理疑惑で世間を騒がせた香港市場上場(株式取引は現在停止されている)企業のハナジー(漢能薄膜発電集団)が、サウジアラビアの男性用衣料企業と共同で薄膜太陽電池製造の工業団地建設を発表した。投資額は10億ドル、中東初の太陽電池製造工場になる。

 ジャーナリスト殺害事件があり、多くの企業がサウジアラビアへの投資をためらうなかで中国企業は着々と投資するようだ。太陽光発電設備を製造し供給する事業は、中東で今後太陽光発電設備への需要が喚起されるのは確実と思われるなかでは、発電事業より相対的にリスクは低く、高収益の可能性が高いだろう。儲かる事業は中国企業が持っていってしまうのだろうか。

  
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