2022年8月9日(火)

立花聡の「世界ビジネス見聞録」

2019年2月24日

»著者プロフィール
著者
閉じる

立花 聡 (たちばな・さとし)

エリス・コンサルティング代表・法学博士

1964年生まれ。早稲田大学理工学部卒。LIXIL(当時トステム)東京本社勤務を経て、英ロイター通信社に入社。1994年から6年間、ロイター中国・東アジア日系市場統括マネージャーとして、上海と香港に駐在。2000年ロイター退職後、エリス・コンサルティングを創設、代表兼首席コンサルタントを務め、現在に至る。法学博士、経営学修士(MBA)。早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。

 

危険を10年や20年後に先送りしていいか?

 講演会が終ったところで、いくつかの実務的な問いが浮上した――。

 まずは、米軍の艦艇や航空機が南シナ海の中国領とされる人工島・岩礁周辺12カイリに進入した場合、中国軍はどのような反応をしてきたか? これからはまたどのような反応をしそうか?

 さらに、これを含めて何らかの偶発的な衝突で、米中の局所的な戦闘に発展する可能性はあるか? 中国が南シナ海の上空に防空識別圏を設けたうえで戦時宣告を行った場合、日本やアジア諸国の一般市民や企業のビジネス活動にどのような影響が出るのか?

 思うに、中国が対米戦に堪えられるだけの実力を備えるまで、あと10年から20年はかかるだろう。しかし、これらの質問に答えを出すのに10年ないし20年もかける余裕はあるのか? われわれはこれだけの危険を承知のうえで、次の世代に先送りすることは許されるのか?

 と、一人ひとりの日本人に、胸に手を当てて自問してもらいたい。こういった具体論は公の場で明言できないものの、実は日本政府がすでに着々と手を打っているという状況であってほしい。そう願うばかりだ。

 末筆ながら、日々命をかけてわれわれ日本国民の安全を守ってくれている自衛隊の皆様に、心から最大の敬意を表したい。「われらの安全と生存」を守ってくれているのは決して、「諸国民の公正と信義」ではない、自衛隊なのである。

※諸般の事情により記事の一部を修正いたしました。(編集部 2019/2/28 18:14)

連載:立花聡の「世界ビジネス見聞録」

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る