2024年4月20日(土)

青山学院大学シンギュラリティ研究所 講演会

2019年3月15日

Twitterによるトレンド予測

 こちらはTwitterにハッシュタグ、コーディネイトで検索をかけると出てくるツイートをAI解析したものです。その日の色、柄、種類などのデータをどんどん蓄積しています。これを靴クリームを販売するメーカーに提供して、今こんな靴の素材が流行しているから、こんな種類の靴クリームが売れるはずだという予測に役立てています。

 またお店の監視カメラの映像を解析して、来店客のコーデを分析、マーケティング支援に使うという方法も実用化しています。

さらなる機能を研究開発中

 現在、研究中のものとしてはスナップ写真を見せると、自然言語生成して、ファッションに関して着こなしを解説してくれるというもの。それから、AIにいろいろな柄を読み込んで、それを基に1950年代のアメリカの植物柄を生成させる試みをおこなっています。今後は、こういったクリエティブ支援にもAIを使えるようにさせるつもりです。

ファッションに特化したAIをグローバル展開

 提携先に情報を提供することで、先方からこんなデータが必要というニーズもどんどん入ってきます。それを汲み上げてさらに高い精度のデータを生成することでバリューを高めています。もし、GoogleやAmazonがファッション領域に参入してきても、私たちは充分、太刀打ちできると考えています。

 市場を見てみるとアパレルECに限って言えば毎年10%から13%の高い伸び率をしめしています。7年間で2倍になる市場です。しかし、便利なECにも消費者の目線で見ると結構、不便な点もあります。実際にECサイトで買い物をした方なら分かると思いますが、10万点もアイテムから自分の欲しいものを探すのが非常に困難です。また、これいいなと思っても、店員さんがいないので、どう着こなしていいのか分からず、コーデできないという問題が発生します。

 反面、企業の担当者からみると、自動予測が当たらない。商品が売れ残ると収益が上げられない。2020年のリバウンド需要で売上が2倍ぐらいになっていますが、その後が超怖いという声を多く聞きます。そのせいかアパレル企業側から弊社に声を掛けていただくことが多くなっています。業界全体に危機感があり、ベンチャーとしてはいい環境だなと感じています。今、開発しているのはいろいろな弊社のAIをオンライン上であらゆる企業が15分ぐらいで取り込めるようになるシステムです。これを作っている背景は、世界的にグローバル展開していきたいということで、実際にベトナムのメディアにも使ってもらっており、アジア全体で使ってもらえるサービスを目指して開発中です。

  
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