青山学院大学シンギュラリティ研究所 講演会

2019年2月11日

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 青山学院大学シンギュラリティ研究所設立記念講演会の後期2回目に登壇するのTwitter Japan代表取締役 笹本裕氏である。1988年にリクルートに入社、MTVジャパン、マイクロソフトなどを経て2014年にTwitter Japan社長に就任した笹本氏がTwitterの生い立ち、現在と未来、そのデータがどのように活用されているかについて語った。

笹本氏(写真・小平尚典)

個人情報を収集しないTwitter

 Twitter Japanの笹本です。まず、お話ししておきたいのはTwitterと他のSNSとの違いについてです。Twitterは匿名性が保たれユーザーの個人情報を収集していません。これが最大の特徴と言えます。ジャック・ドーシーを初めとした創業メンバーが表現の自由を担保しようという理念から生まれたことです。アメリカが世界中の通信データを傍受していることを暴露した元CIAのエドワード・スノーデン氏が、最もプライバシーが守られるSNSはTwitterであると度々、公言しています。

 唐突ですが、この地図が何を示しているのか、皆さんお分かりになりますか? 東京近郊の鉄道路線図のようにも見えますね。実はこれ白地図にTwitterの発信をプロットしたものなんです。朝の時間帯で、まさに中央線や山手線などの線路に沿って盛んにツイートされていることが分かります。これは日本独自の現象で、例えばロサンゼルスでは住宅街のマッピングになります。世界地図にマッピングすると大事件が発生した時は、そこが赤くなることが分かります。日本では年末年始に年賀のメッセージが大量にツイートされるため、アメリカのメンバーは休日返上で日本のサーバーが落ちないようにメンテしています。それほど日本では盛んにTwitterが使われています。

 

ダンパー数とTwitter

 皆さんは、ダンバー数をご存じでしょうか? 私は個人的に興味があるのですが、ダンバー数とは英国の文化人類学者ロビン・ダンバー教授が定義した数字です。簡単に言えば深く付き合えるのは150人が限界で、それを超えると不快に感じるという学説です。FacebookやTwitterでフォロアー数が150人を超えている方は沢山いると思いますが、150人を超えた辺りから関係値がすごく薄くなっていくことが分かっているそうです。

 例えば中小企業で従業員が150人を超えてくると、その会社は中間層をしっかり育成しないと、それ以上の成長が望めないとか、戦隊を組むのも150規模が限界だと言われているとか、アメリカの企業では収容人数150人までのビルしか作らないなど、さまざまな所でダンバー数が使われています。我々もどうダンバー数を使えばTwitterが快適に活用できるかを日々、考えています。

Twitterの生い立ちと存在意義

 ここからはTwitterが扱う言葉について考えていきたいと思います。まず、Twitterの歴史について簡単に触れたいと思います。ジャック・ドーシー、エヴァン・ウィリアムズ、ビズ・ストーンの3人が作ったのがTwitterです。

 13年前に生まれたのTwitterですが、なぜ140文字という制限があったのでしょうか。これは当時、スマートフォンがなくガラケーの時代だったので、ツイートできる文字数が140文字だったからなのです。この制約を日本語に当てはめるとなかなか具合のいい長さという評価を得ましたが、英語だと140文字では足りないということになり、2017年に140文字は撤廃されました。しかし、日本とアジア圏では猛反対があり、制約を外すことにはなりませんでした。その代わり、ツイートをどんどんつなげていけるようにしています。そのぐらい、手軽にツイートできることを心掛けています。また昨今では簡単に動画が発信できるようにもなりました。

 これはTwitterの原型をノートに描いたものです。真ん中にサーチボックスがあるシンプルなものです。ツイートではなく今のステータスを発信するためのUIですね。これが世界中で3億人、日本では4500万の月間アクティブユーザーがおりますが、人口比率で言えば世界で最も使われている国が日本なんです。

 

 そもそもTwitterの存在意義とは何なのでしょうか? 今、起きている現象を最も早く定義できるのがTwitterなんです。これが定義できるようになったのが3年前なんです。英語だと「What's Happening」です。アップルのジャンル分けの中でTwitterはニュースに定義付けられています。SNSではないんですね。例えば最近の出来事ではワールドカップですね、あらゆる人たちがさまざまな意見をつぶやいています。ある意味、Twitter上が世界最大のサッカースタジアムになったのではないかと思っています。実際には1150億のインプレッションがありました。皆さんの興味をひくイベントがあるとTwitterも盛り上がります。2019年のラグビーワールドカップ、天皇の退位、2020年の東京オリンピックなどに備えて、我々も準備を進めているところです。

私ではなく出来事を発信する

 ワールドカップで言えば、86.3%の人々がTwitterで会話していました。InstagramやFacebook、YouTubeでなくTwitterが圧倒的に多かったのです。その理由を考えてみるとFacebookは友達同士のつながりなので、知らない者同士がサッカーの話題で、つながるにはTwitterしかないんですね。Twitterは若いユーザーが多いと思われていますが、ここ1〜2年で30代以上の方が増えて来て、平均すると30歳以上になると言われています。Instagramとの違いは、インスタは「私を見て」に対して、Twitterは「出来事を見て」と言われています。また、発信だけでなく、情報収集にもよく使われています。例えば通勤通学の電車の遅れをリアルタイムに知るですとか、街中で行列を見付けたら検索してみるとか。リアルタイムの情報を知る手段としても広く認知されています。

 Twitterは匿名性が保たれ、飾らない本音が発信されるため情報としての精度が高く、検索性に優れています。実際にニールセンの調べでは、日本の10代の人たちの検索方法の1位がYahoo!で、2位がTwitterという結果が出ました。GoogleやYahoo!の検索エンジンは複数のサイトをクロールして検索するので、どうしても時間が掛かります。これに対してTwitterは発信された情報のみを検索すため素早く結果が表示されます。さらにリアルタイムの情報なので、今起きていること最も早く知ることができます。

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