WEDGE REPORT

2019年3月28日

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朴承珉 (パク・スンミン)

在韓ジャーナリスト

在ソウルジャーナリスト。時事通信ソウル支局記者を経て、「文藝春秋」「週刊文春」のソウル特派員。長年、北朝鮮問題をウオッチ。平壌や開城工業団地、板門店、金剛山など7回以上北朝鮮入りして取材。日韓メディアに寄稿している。

揺れ動く金正恩の心理

 キム氏は、金正恩委員長との交渉過程でこれまで知られていなかったビハインドストーリーも公開した。「金委員長がまだ35歳と年齢が若いからか、立場が一貫しない。非核化に対する意志に対して、ある時は太っ腹に話して、また、ある時は退く姿を見せた。ちょっと行ったり来たりしているようだ。そんなことを(交渉過程で)多く見つけた」と述べた。これは金委員長がまだ非核化に対する立場が明確に決まってないか、トリックである可能性が高い。

 また、米朝首脳会談の別の決裂要因として、金委員長の判断ミスを挙げた。「金委員長が米国政治に影響を及ぼすことができると過信し、寧辺・核施設の廃棄程度で提案すれば、トランプ大統領がサインすると考えたようだ」と分析した。さらに、米朝交渉過程で、北朝鮮側が昨年、「米国の中間選挙の前に(2回目の首脳会談を)したらあなたら(米国)に役立つのではないか」とも話したと、エピソードも伝えた。

 一方、北朝鮮の崔善姫・外務次官は15日、平壌で外信記者会見し、「金正恩委員長は、(ミサイル)発射および核実験の中止状態(モラトリアム)を継続するかどうかについて間もなく決める」とし、米国に制裁解除を求め、圧迫した。また"交渉中断も考慮"していることをほのめかした。さらにマイク・ポムペイオ長官とジョン・ボルトン国家安保担当補佐官が、「(ハノイ会談で)両首脳の建設的な交渉努力を妨げた」とし、交渉決裂を両者に転嫁した。ところが、「朝(北)米首脳の関係は相変らず良く、相性(chemistry)は神秘なほどすばらしい」と余地を残した。

 トランプ大統領は全く非難せず、強硬派のボルトン補佐官らをターゲットにしたのだ。しかし、注意はトランプ大統領に向けられていた。この「両首脳の相性(chemistry)は神秘なほどすばらしい」という言葉から、北朝鮮は、非核化の交渉を中断する意思が全くないことを物語っているのがわかる。中止どころか、どんな形であれ、制裁を早く解決するために、短い冷却期間に危機を最大限高めた上で、早く3回目の首脳会談を開催することを内心望むだろう。

 崔次官が記者会見で非公開した内容は、「ハノイ会談でトランプ大統領は合意文に、『制裁を解除したあとに、北朝鮮が核活動をまた行われば、制裁を再開する( スナップ・バック適用)』という内容を含めれば合意が可能だという柔軟な立場を取った」と述べたが、ポンペイオとボルトンが妨害したということだ。(聯合ニュースなど)しかし米国の外交筋らは、「事実とは異なる」と否認している。

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