中島恵の「中国最新トレンド事情」

2019年4月25日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)、『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか』(プレジデント社)『日本の「中国人」社会』(日本経済新聞出版社)などがある。

外国にいても盛んな中国人同士のコミュニケーション、
主な話題は子どもの教育問題

 私が取材したところ、彼らが最も重視し、頼りにしているのは中国のSNSだった。日本ではフェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSを使う人が増えているが、中国では政府の規制があって、基本的にこれらのツールは利用できない。そこで中国版LINEといわれるウィーチャットを使う。フェイスブックとLINEを足したようなもので、一度登録して友だちと繋がっていれば、簡単にメッセージの送信やグループを作って、チャットを行うことが可能という便利なものだ。

 公園で見かけたママたちも、おそらくグループチャットでも繋がっているが、ときには顔を合わせてリアルな会話もする。しかし、それぞれ会社に勤めたり、家事もあるので、SNSでコミュニケーションするという、SNSとリアルの2本立てで連絡を取り合っている。

 そうした点は日本人のママたちも同じだろうが、私も仲間に入れてもらっている彼らのSNSのグループチャットの使い方を見ていると、その情報量の多さ、投稿頻度の多さに驚かされる。

 日本人もSNS好きな人は、まるでSNS中毒のような日々を送っているが、中国人のSNS中毒はその比ではない。とくに、日本人社会との接点があまりない、駐在員妻として来日した中国人ママの場合、日本語があまり堪能ではないこともあって、中国に住む友人とのSNSで1日を過ごす。あるいは、日本に住む在日中国人ママ友との情報交換に、大半の時間を費やすといっても過言ではない。

 つまり、日本という外国で暮らしていても、中国人同士のコミュニケーションによって、日常に必要なほとんどの情報を得ていると考えていい。

 そこで最もよく話されている内容は、何といっても子どもの教育問題だ。幼稚園に子どもが通っていたら、どの小学校に進学させるかが、第一の悩み事になる。また、どの進学塾や習い事に通わせるかも大事だ。日本では、当然ながら、子どもの教育の大半は日本語中心になる。公立であれ私立であれ、日本語での教育がベースとなるが、彼らの場合、それに加えて中国語での教育も悩みのタネだ。

 横浜などにある中華学校に通わせるという方法もあるが、東京都心からだと距離が遠いことや、その後の子どもの進学コースを考えると悩んでしまうようだ。日本で暮らしているのに、中国語がベースでいいのか、という問題も起こってくる。何しろ、彼らは「日本に住む中国人」なので、日本語と中国語という2つの言語のはざまに立ち、さらに、どのような学校に通わせるのか、という問題に直面している。

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