2024年4月26日(金)

家電口論

2019年5月22日

なぜ、4Kなのか

 技樹的には2K⇒4K⇒8Kと進んでいきますが、テレビというのは元来、「テレビ波を受信して、それを映像に直す装置」です。皆さんがメインで見る地上波は2Kです。この理論からすると安い2Kが一番なのです。しかし、買ったテレビを今後10年使います。その10年間を考える必要があります。

 10年後は4K放送になっている可能性があります。少なくとも、BS / CSでの4K放送が始まるので、10年も経てば、少しはコンテンツも充実しているでしょうから、このためチューナーのように後付けできないTVの核となるパネルは「4K」で決まりです。

 また、テレビには、2Kの画を4Kにする「アップコンバージョン機能」があります。2Kのデータから計算により、4K分の画を作るので、4Kカメラで撮影した画像には敵いませんが、かなりイイ画です。

なぜ、55インチなのか

 では、サイズはどうでしょうか? 4Kのパネルは、液晶も有機ELもまだサイズ差があります。しかも55インチだと、20万円台なのに、以降、1インチ1万円以上の傾斜を持ちます。正直かなり高い。では、55インチがベストのでしょうか?

 4Kテレビの場合、最適視聴距離は、画面高さの2倍と言われています。55インチで、68cm位です。1.36m。これが、4Kの高精細を楽しめる距離です。

 これより下がり目でテレビを楽しむわけですが、一番イイとされるのは、視野全部がテレビになることとされています。いわゆる没入感というやつです。このために、メーカーは「大きいのがいい!」と宣うわけです。

 しかし多くの場合、問題になるのは、視聴距離よりも、置いたときの幅です。55インチの120cmに対し、65インチだと144cm。20cmも違って来ます。だいだい、144cmって、小6の男の子の身長くらいです(「平成29年度学校保健統計」)。薄型とは言え、圧迫されますね。

 もう一つ、平面テレビで最終的に作りやすいサイズというのは、「55インチ程度なのかなぁ」ということです。大きいパネルは、欠点がでやすいのです。液晶などで光らないドット部は、欠点と呼ばれます。パネルサイズを大きくすると、この欠点が見えやすくなります。つまりサイズが大きくなればなるほど、パネルの良品得率は落ちるのです。

 ということで、大きいパネルには不良品のコストも乗っているわけで、安くはないわけです。グラフから言うと、どのパネルも55インチ程度である価格に落ち着いているところを見ると、55インチの生産得率はかなりいい=安いと考えられます。

 55インチは、安くて適度な大きさ。グラフはそれを物語っているようです。

 それを見越すようにラインナップも組まれています。55インチが最も多いです。65インチはメーカーが売りたいサイズ、55インチは売れるサイズと考えて頂ければと思います。

 ここまで分かると、冒頭に掲げた、3つの選択肢、分かってもらえると思います。


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